グチャッとした政治資金の議論

 宮崎 政治資金の問題では、私は「支出のチェックと使途の制限」こそが肝だといってきたのですが、今回の政治資金規正法の改正はどう見ていますか?

宮崎哲弥氏 ©文藝春秋

 小林 国民が納得するかと言えば道半ばだと思います。まずは改正法を遵守し、不断の見直しを続けていかなければなりません。

 政治資金についてあえてザックリ言うと、私も「出口」にあたる使途は可能な限り透明性を向上させ、公開していくべきだと考えています。ただ「入口」である収入面は、過度に規制することは危惧しています。国民の政治参加を担保し、健全な民主主義を維持する観点で、もう少し冷静に考えるべきだと思います。

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 青山 そもそも、派閥の裏金作りは「いつ」「誰が」「何のため」に始めたか、未だに実態が解明されていません。これで「道半ば」と言われても納得しようもないと思いますが。

 小林 そこは多くの国民の皆さんが不満に感じていると思います。実態の解明は、私自身も当の本人ではないので分からないところはありますが、一人ひとりの議員が自分なりのやり方で、説明責任を果たすことに尽きると思います。

 今回の政治資金の議論は、個人的に思うところがあって、これはそもそも派閥の問題ではなく、政治資金のあり方そのものの問題なんです。そのあたりが、自民党の中で議論がグチャッとなってしまった。派閥の解消自体は否定しませんが、複数の政策集団があることで、権力が分散され、健全な組織構造が保たれてきたことは確かです。