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撮影場所が決まってから企画。台本はなく演技は即興

――先ほどエチュードに集中していたというお話がありましたが、作品の作り方も映画やドラマとは違うんですか?

「違いますね。私たちは月に1回くらいのペースで集まっていて、撮影場所が決まったら『今回はコンビニが借りられるけど、何をやる?』など、LINEのグループラインで企画を出し合います。企画が決まったら、当日、現場で大体の流れを決めます。台本はないので、まず即興で演技をしてみて、監督と相談しながら肝となるセリフやキャラクターを探って……と、セッションのような撮り方をしています。なので毎回、撮影現場は緊張感が漂っているんですよ」

未成年扱いされてしまう赤間さん(YouTubeより)

――赤間さんが出演する『年齢確認』シリーズは全部で4本ありますが、当初からシリーズ化の予定だったんでしょうか。

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「まったく決まっていませんでした。でも第1弾が予想以上の再生数を叩き出し、コメント欄では『おばさんが少女に戻って、これからどうするんだ?』といった考察合戦のようになっていたので、『第2弾作ったら喜んでもらえるかもね?』と」

――高校生の制服姿を披露した作品もありました。

「監督から『赤間さん明日制服でお願いします』って急に連絡が来たので、『わかりました。娘のを持っていきます』と応じました(笑)。基本的に衣装は自前で、撮影日は衣装を詰め込んだスーツケースをガラガラと引き摺って現場に集合します。ヘアメイクさんがいますがスタイリストさんはいないので、自分たちで役柄のイメージに合う衣装を探すために、みんなで衣装ケースをひっくり返して、ああでもないこうでもないとやり合っています。『映像制作ユニット』ではありますが、なんでも自分たちでやるところは、ちょっと劇団に近いかもしれません」

「母の横で昔の映画を観るうちに…」女優を志した経緯

赤間麻里子 ©文藝春秋

――赤間さんは「劇団の東大」とも言われる無名塾のご出身です。

「はい。19歳の時に入塾して、10年間お世話になりました」

――女優を志したのはいつ頃だったのでしょう?

「私の母が大の映画好きで、小学生の頃からよく映画館に連れて行かれていたんです。母の横で昔の映画を観るうちに、オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーといった女優に憧れるようになりました。高校生くらいの時にはミュージカル映画に夢中になって、『ブロードウェイに行ってスターになろう』と決意。高校卒業後は、昭和音楽芸術学院のミュージカル学科に進みましたが、やはりお芝居を重点的に学びたいと思うようになり……。そんな時にたまたま見つけたのが無名塾の募集でした」