表面的にはいい人を演じながら、嫌がらせをしてくる人にはどう対応すればいいか。心理セラピストの大鶴和江さんは「表立っては攻撃せずに、見えないようにわからないように嫌がらせをすることは『受動攻撃』と呼ばれている。このようなコミュニケーションをする人の傾向としては『日頃は口数が少なく丁寧な言葉遣いをする』『おとなしめのいい人タイプ』などの6つの傾向がある。受動攻撃に引っかかったときにまずやるべきことは、その相手とできるだけ距離を置くことだ」という――。
※本稿は、大鶴和江『「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
陰湿な嫌がらせ「受動攻撃」をする人たち
意地悪や嫌がらせをする人の中には、普段は感情を抑圧して「いい人」を演じている人が多い傾向にあります。
そのような人が見えないところで相手にわからないように、悪意を向けてくることが多々あります。このように表立っては攻撃せずに、見えないようにわからないように嫌がらせをすることは「受動攻撃」と呼ばれています。
「受動攻撃」とは、受け身でいながら攻撃するという意味ですが、表面的には友好的な姿勢をとりつつ、嫌いな相手を陰でおとしめたり、相手の嫌がることを間接的に行うことで、相手の仕事を困らせたり、人間関係を壊そうとしたりする行為です。
そもそもそのような人は、本当に言いたいことを相手には伝えずに、怒りを嫌がらせや意地悪という形で表現してくるので、受け身でありながらも攻撃的であるという表現になります。
相手に嫌われたくないから飲み込んで言いなりになるけれど、その反面相手に敵意を抱いているので間接的に嫌がらせをしてくるのです。
具体的な受動攻撃の代表例は次のようなものが挙げられます。
・伝えたはずなのに伝えられていない → 「わざと伝えない」
・わざと書類を隠す → 上司に恥をかかせる
・メールを既読していながらスルーする → わざと相手に不快な思いをさせる
・頼まれたことをわざと失敗させる → 依頼者に恥をかかせる
・約束をしたのに守らない
・「あなたの考えを受け入れます」と言いながら、その考えを否定してくる