「昭和世代の熱血上司が、若手社員に期待するあまり、“気合”と“根性”で『頑張るんや』とハッパをかけるも、それが逆に……」

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突如、成績が急降下

 どこぞの会社の話ではない。スポーツ紙記者が嘆くのは、目下、スランプ中の阪神・藤浪晋太郎投手(24)と、金本知憲監督(50)のことである。4月6日の中日戦で、藤浪は四球や悪送球の末に途中降板を命じられ、金本監督から「投内連係もできないようでは」と“最後通告”を突きつけられたのだ。

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 大阪桐蔭高校出身の藤浪が、4球団からドラフト1位で指名され、阪神に入団したのは2012年のこと。

「藤浪は、日本ハムに入団した大谷翔平と同級生。甲子園で未勝利の大谷に対し、春夏連覇を果たした経験を持つ藤浪の方が『勝負強い』とも評されていました。事実、藤浪は1年目に大谷を上回る10勝6敗の成績を残し、2年目は11勝8敗、3年目は14勝7敗と順調に成長。14年の野球日本代表にも、大谷と共に選ばれました」(同前)

 そんな時、新たな“上司”となったのが金本だった。

「すると俄かに藤浪の制球難が目立つようになった。16年7月に行われた広島戦では、不調続きだった藤浪が8失点するまで、161球を投げさせたことがありました。試合後に金本監督は、『去年14勝したピッチャーがやることじゃない』といい『責任を持って、何点取られようが、何球投げようが(最後まで投げさせよう)と思っていた』と厳しいコメントをしていました」(同前)

 結局、この年の勝ち星は7に落ち込み、さらに昨年は3勝と過去最低の成績に。

「監督は事あるごとに、『大黒柱になれ』『全勝するくらいの気持ちでいってもらわんと』と叱責。時には『大谷に負けている』と煽ってきました。今年になっても『責任感を持て』『チームを背負え』とハッパをかけています」(同前)