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「韓国での成功を捨てた」とも…TWICEサナ(27)に向けられた韓国での“リアルな視線”〈現地記者が解説〉

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 今年でデビュー9周年を迎える9人組ガールズグループTWICE。彼女たちを象徴するキーワードを挙げるとしたら「挑戦」が真っ先に思い浮かぶ。結成から現在まで、常に新しい道を歩んできたグループだ。特筆すべきは、彼女たちの活躍によって、K-POPグループの日本人メンバーが活躍できる領域がさらに広くなった点だろう。

 中でも、日本人のサナ(本名:湊﨑紗夏)はとりわけ注目に値するメンバーだ。彼女は韓国で、ファンだけではなく大衆からも高い人気を集めている。

TWICEのサナ27歳 ©時事通信社

K-POP界の先入観を振り払ったTWICE

 韓国人5人、日本人3人、台湾人1人で構成されるTWICEがデビューしたのは2015年。この頃のK-POP界は、海外からの人気が上昇する一方で、外国人メンバーに対してかなり排他的な立場を取っていた。特に韓国の社会情勢によって、日本人メンバーに対しては他の国籍のメンバーと比較してもより厳しい見方がされる傾向にあった。

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 そのため、TWICEが所属するJYPエンターテインメントのような大型芸能プロダクションが、日本人メンバーを3人も含めるガールズグループをデビューさせるということは「事実上、韓国市場での成功をほとんど放棄したも同然」と見なされた。

ソウルのJYP本社ビル ©文藝春秋

 TWICEのメンバーの選出は韓国の音楽専門チャンネルMnetのサバイバルオーディション番組『SIXTEEN』を通じて行われた。ここでグループ結成までの過程を全て公開したことで、デビュー前から大衆的な知名度を得ることに成功していた。しかしこの時点では、韓国の大衆の多くは、期待よりは若干の憂慮を抱いていた。

TWICE。左から、モモ、ツウィ、ジョンヨン、ジヒョ、ダヒョン、ナヨン、サナ、チェヨン、ミナ ©getty

 だが、TWICEはこのような先入観を忘れさせた。今では、SMエンタテインメントのRed Velvet、YGエンターテインメントのBLACKPINKとともに、「K-POP第3世代のトップガールズグループ」に名を連ねている。

 外国人メンバーに対する評価が厳しいK-POP界において、TWICEがこのような支持を集めるグループへと成長したのは、何よりもメンバー1人1人の努力があったからだろう。