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「韓国での成功を捨てた」とも…TWICEサナ(27)に向けられた韓国での“リアルな視線”〈現地記者が解説〉

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「レジェンド」とも…サナの始球式に集まった反響

 サナ、モモ、ミナ。3人の日本人メンバーはそれぞれが多くのファンを持っている。しかしその中でも、サナが韓国の大衆から格別の注目を集めていることについて、最近の事例でいうと、4月27日にソウル蚕室球場で開かれた「2024プロ野球 KIAタイガース vs. LGツインズ」の始球式に登場したことが挙げられる。

 サナはクロップド丈にアレンジしたユニフォームに、ブーツカットジーンズを合わせたファッションで登場。長い脚を活かした見事なフォームで投球したボールが、ノーバウンドでキャッチャーミットに収まると、サナはマウンドで喜びをあらわにした。この光景について、韓国の大衆から「レジェンド始球式」とまで呼ばれるほど反響があり、しばらくオンラインコミュニティやSNSを中心に、大きな話題をさらった。

始球式に登場したサナ。見事なフォームに日本のSNS上では「野茂英雄のようだ」という声も ©AFLO

 韓国で始球式に選ばれる芸能人は、「今が旬」といった高い話題性を持つ人が多い。例えば、その時期に放送されたドラマや映画などで大きな人気を得た俳優や、現在活発に活動中のアイドルグループの人気メンバーだ。

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 たとえば、6月9日に釜山・社稷球場で行われた「ロッテ・ジャイアンツ vs. SSGランダース」には4人組ガールズグループaespaのカリナが登場している。これは、現在aespaが各種音楽チャート1位を総なめにするほど、韓国で高い人気を有する「第4世代ガールズグループのメンバー」という点が大きな影響を及ぼしたものと見られる。

2020年にデビューしたaespa。左から、ジゼル、カリナ、ウィンター、ニンニン ©AFP=時事通信

 カリナと比べると、サナは「現在大人気のグループ」というよりはやや「先輩グループ」といった印象で、2人が同じくらいの、あるいはサナがカリナ以上の大きな話題性を呼んだという事実は、サナの個人の力の賜物だろう。

“王道の成功パターン”と言えるほど模範的な成長

 韓国社会で日本人メンバーは厳しい見方をされる傾向にあると先述したが、グループから離れ、ソロでも大衆的な人気を得るというのもまた、想像以上に簡単なことではないからだ。デビューから9年という歳月の中で、韓国の芸能界でサナが成し遂げたその結果には、注目せざるを得ない。

 サナの成長をみていくと、それは外国人メンバーに限ったことではなく、アイドル界全体を見渡しても、“王道の成功パターン”と言えるほど模範的なものだった。

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 サナが辿った“王道の成功パターン”、そして韓国で起きた“ある変化”とは?

翻訳=金敬哲

「韓国での成功を捨てた」とも…TWICEサナ(27)に向けられた韓国での“リアルな視線”〈現地記者が解説〉

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