今年でデビュー9周年を迎える9人組ガールズグループTWICE。韓国人5人、日本人3人、台湾人1人で構成されるメンバーの中でも、日本人のサナ(本名:湊﨑紗夏)は韓国で、ファンのみならず大衆からも人気を集めている。彼女が支持される理由、そして韓国で起きたある変化とは……?(全2回の後編/はじめから読む)
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サナが担当した象徴的な「キリングパート」
サナはデビュー前から、「セクシーキューティー担当」としてその可憐なビジュアルと特徴的な甘い歌声で、グループで唯一無二のポジションを獲得していた。音楽活動においては特徴的なフレーズを担当し、注目を集めた。SNSなどで話題になることを狙ったのだろう。結果は100%成功だった。
TWICEの曲で「キリングパート」(Killing Part:楽曲の中で、特定の振り付けや中毒性のあるリフレインのように聴衆に強い印象を与えるフレーズ)を多く担当するサナは、カメラのワンショットを受ける度に大衆の好奇心を強く刺激し、一気に知名度を上げたのだ。
たとえば、サナが担当する「CHEER UP」のキリングパートは象徴的だ。彼女の歌う「シャシャシャ(Shy Shy Shy)」は2016年の「CHEER UP」発売時点での、韓国で最も有名なミーム(インターネットで流行する用語や行為)の一つに挙げられるだろう。サナの発音と、照れたような振り付けと表情が「かわいい」という理由で、またたくまに流行した。
実はこのパートは、当初サナではなく別のメンバー・ダヒョンが担当するはずだったという。楽曲を手掛けた音楽プロデュースチーム「Black Eyed Pilseung」のラドがインタビューで明かしている。内容はこうだ。