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ファイターズは清宮だけのチームじゃない

 それからこのGWシリーズ、清宮は5試合連続ヒットを続けている。プロ初打席の会心の当たりではなく、内野安打が多かったりする意外な展開だが、とにかく「H」のランプをつけ続けている。楽天、ロッテのバッテリーが警戒してかかるので(デビューの翌日から「5番スタメン」だから警戒して当然なのだが)、きびしい球が多く三振が増えた。評論家筋に褒められているのは、前の打席で牛耳られた球筋を覚えて、後の打席でヒットしている気持ちの強さ&対応力の高さだ。どの投手のどの球種も初めて見るわけで、きりきり舞いして当然なのだ。清宮はその球を「絶対打ってやる」と決意して次の打席に立つ。面白いのだ。結果打てるか打てないかだけでなく、プロの決め球を「絶対次は仕留めてやる」と勝負に行く姿が面白い。

 と、僕も清宮幸太郎に惚れ込んでいるから大々々注目しているという話をした。以下、別のことを書きたい。別のことと言っても「大々々注目している」という話と自分のなかで矛盾はしていないつもりだ。シンプルに言う。ファイターズは清宮だけのチームじゃない。5月6日の上位打線を挙げてみよう。1番西川遥輝、2番大田泰示、3番アルシア、4番中田翔、5番清宮幸太郎。これ全員、「キン肉マン」で言ったらキン消しになってる超人だ。「ギュイーン」「ボカーン」「グワッキーン!」「ガツン!」とタイプの違うバッターだ。もちろんそこに近藤健介とレアードが加われば言うことないけれど、野球ってそういう夢の連なりを見るものでしょう。

 わかりやすい例を挙げる。5月3日の全国ネットNHK中継、GWの地上波中継は日ハム楽天両球団のファンだけでなく、広く一般視聴者に向けて届けられる性質のものだった。前日、プロ初打席でフェンス直撃弾を放った清宮幸太郎はもちろん中継の主役だ。試合開始から画面の右肩に「F清宮 先発出場5番DH」とテロップが出ている。何度も言うがそれ自体はうれしいし、ありがたいのだ。ファイターズの目玉ルーキーを盛り立ててくれているんだから。

「清宮の前の打者」扱いへの違和感

 ただね、回が進んで4対1リードの8回裏になった。1死走者なしから3番アルシアがショートの横を抜けるヒットを放つ。とカメラはベンチから出てくる清宮をアップでとらえる。事情がわからない人は次の打者は清宮なんだと勘違いしただろう。で、実況アナがこう言った。

「アルシア、今日三振2の後、ヒットが出て、さぁ、これでこのままダブルプレーがなければ清宮にまわります」

 1死走者1塁だからそりゃダブルプレーがなければ5番清宮へまわるのだ。それは事実だけれど、4番は中田翔なんだよ。中田翔はうちのキャプテンで、打点王2回、ベストナイン4回のパリーグの顔なんだよ。「このままダブルプレーがなければ」なんて名前すら言われずスルーされる存在じゃない。彼は今季、これまでとはまったく違う野球への取り組み方をしている。間違いなく下馬評の低かったチームが上位につけている理由の一つだ。

 僕も大人だからNHKスタッフに悪気がないことくらいわかっている。実況アナにも他意はない。ただ清宮にまわりそうだから(次の4番打者を飛ばして)清宮をアップで映し、「ダブルプレーがなければまわります」と言ったに過ぎない。

 ただそれは野球観としておかしいと思うよ。ニュアンスは海外スポーツのニュースやなんかで、日本人選手の活躍だけ伝えて相手チームや対戦相手の名前すら言わないのに似ている。一つの情報にフォーカスしすぎ。中田翔はね、「清宮の前の打者」じゃなくて名前がちゃんとあるんだ。

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