優勝パレードで見え隠れする維新の影
文書には、兵庫県は「必要経費を補うため、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせた」旨の告発もあった。担当部局は当初1億円で予算要求したが、副知事の指示で4億円に増額したという。
さらに告発文書には「パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症した」と記されていた。この課長は告発文書が公になった後の4月20日に自死していると週刊文春は7月25日号で伝えた。
そして先週24日、兵庫県は阪神・オリックス優勝パレード担当課長の死を認めた。県は死亡から3カ月にわたって公表していなかった。
3月に斎藤知事をめぐる疑惑が浮上して以降、X氏と優勝パレード担当課長の2人の職員の死亡が明らかになったのである。
維新には「公務員は働かせてナンボ」という考え方がある
ではあらためて阪神・オリックス優勝パレードを振り返ろう。実は当初から数々の問題が指摘されていた。
「阪神・オリックス優勝パレード 教職員に大阪府 ネット募金要求 「寄付で評価?」組合懸念」(しんぶん赤旗2023年11月9日)
パレードの開催費用を集めるため、大阪府が府立学校の校長・准校長に、教職員がクラウドファンディング(CF)に協力するよう事務連絡を出したことがわかったと記事は伝えている。
大阪府はパレード開催のため警備費、交通規制告知などに5億円かかると説明。しかし集まりが悪いから教職員に協力を「求めている」という。
さらに大阪府と市は、パレードの現地で来場者の誘導などを担う要員として各1500人のボランティアも募っていた。
「勤労感謝の日に職員3000人を7時間タダ働きさせようとする大阪府・大阪市のヤバさ これが『維新流』?」(東京新聞2023年11月9日 )
府市トップの所属はいずれも維新だが、記事の中で大阪在住のジャーナリスト吉富有治氏は、
「もともと維新は大阪府市を統合する大阪都構想が党是。その中で『税金の無駄遣いをなくす』ことや『コストカット』を言い続けてきた。根本に『公務員は働かせてナンボ』という考え方がある」と解説。
ここで維新の名前が出てきたが、阪神とオリックスのパレードの資金集めは当初は万博を前面に押し出していた。