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阪神もオリックスも悪くない。優勝のめでたさに名を借りた「万博PR」が批判されていたのだ

《9月下旬の発表では、名前が「兵庫・大阪連携『阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード』~2025年大阪・関西万博500日前!~」と、なぜか無関係の万博が盛りこまれていたため炎上。》(中日スポーツ2023年10月18日)


 これには「パレードの政治利用だ」と批判が噴出。専門家はスポーツを使って体制側の悪評を隠す「スポーツウオッシング」に当たる、と指摘した。※『優勝パレード、万博PRに? 「政治利用」と批判噴出』(共同通信2023年11月18日)

 当時も今も阪神ファンとオリックスファンの中にはせっかくの優勝に水を差されたようで気分がよくない方もいるだろう。

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 ポイントはまさにそこで、阪神もオリックスも悪くない。優勝のめでたさに名を借りた「万博PR」が批判されていたのだ。

 万博の建設費用が当初の計画より高騰し、批判が高まっていた時期だけにどさくさ感があった。

一体何のための、誰のためのパレードだったのか?

 さらにパレードでは大阪府・大阪市の職員へのタダ働きや募金要求などが問題となった。維新による公務員残酷物語だ、と。

 大阪府の吉村洋文知事はパレード後にXに次のようにポストした。

2023年11月、優勝パレードを前に阪神の岡田彰布監督に花束を手渡す、吉村洋文大阪府知事 ©時事通信

【速報】阪神とオリックス、史上初の優勝記念同時パレードは計96万人の観客 大阪会場は前回の阪神パレード超える55万人
→監督、選手、パレードに来てくれた人達96万人のこの笑顔。やって良かったよ。メディアからは、散々批判を受けたけどね。この笑顔。これが答え。

午後5:59 · 2023年11月23日

 ところが今回「カネ集め」に奔走させられた兵庫県のパレード担当課長が自死していたことが明らかになり、そのカネも「信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせた」と告発されていた。

 一体何のための、誰のためのパレードだったのか? 万博PRのために懸命になったのも大きな要因にみえるが、万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマである。ゾッとする。

 兵庫県の斎藤元彦知事は3年前の知事選で自民と維新が推薦して当選している。「おねだり」以外にも、知事の背景を含め、告発内容にあらためて注目すべきではないか。