大阪・関西万博の開幕まで500日を切った。セレモニーもおこなわれてめでたいはずなのだが、万博に関する記事を読んでいると妙に「怖い」のである。ふつうに新聞を読んでいるだけなのにホラー小説みたいになっている。

 具体例を挙げよう。まず朝日新聞。500日前となった11月30日の記事だ。万博の明るい未来を語っているかと思いきや、官邸幹部の一人は次のように漏らしている。

「こうした大規模建設は竣工間際にまたいくらか費用が必要になる。予断を許さない」

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 予断を許さないって怖い。どれだけ緊迫した状況なのだ。官邸幹部もびくびくしているらしい。読んでるこっちも怖くなる。

©時事通信社

 まだホラー記事はある。各国が独自に設計・建設するタイプ「A」のパビリオンについて。「万博の華」と言われ、当初は60カ国(56施設)が出展の意向を示していた。現在、建設事業者が決まった国は24カ国にとどまる。

 そして、次の言葉を読んで欲しい。

「着工した国は、まだ一つもない。」

 めちゃくちゃ怖い。ホラーの読後感である。

ホラー記事が続々と

 まだある。万博は夢洲(ゆめしま)でおこなわれる。地元の大阪には、開発がバブル崩壊で頓挫して「負の遺産」となった夢洲を活用したい狙いもあるという。

 しかし……

《地盤のゆるい人工島の夢洲を会場にしたことで、アクセスは悪く、工事はやりにくく、費用はふくらむ。新駅と路線も整備中だが、閉幕後にどれほど需要があるかも不透明だ。》

 ひゃー、そんな不透明な場所にカネが注ぎこまれているのか。怖い。さらに同志社大学の真山達志教授(行政学)はこんな解説をしている。