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迷惑をかけてしまっているのでは? 櫻井翔さんに伝えた言葉。

 一方で、懸念もあった。

『笑うマトリョーシカ』は、政界の裏側を綴った物語ではない。人間の持つ業や醜さ、相反する純粋性を描こうとしたものだ。

 そしてもう一つ、人を外見だけ、イメージだけで判断することの危うさも記したつもりだ。そのテーマは、きっと最終回で描かれるであろう清家の「○○」というセリフに集約される。

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 それでも、そこに至るまでに、まさに外側だけで批判される危険性は孕んでいる。ひょっとしたら迷惑をかけているかもしれないと、撮影現場にお邪魔した際、二人きりになったときを見計らって、櫻井さんにその旨を伝えた。

 櫻井さんは「とんでもない」と笑顔で手を振った上で、「清家一郎という人物に出会えて幸せな毎日です」と言ってくださった。原作者に対してそう言う他ないということは理解しつつ、肩の荷が少しだけおりた気がした。

 キャスト、スタッフのみなさんの情熱と尽力もあり、『笑うマトリョーシカ』は、原作と映像がすごくいい関係を結べている。

 小説を読んでいたらドラマをよりおもしろく見られるという希有なケースかもしれない。

 ドラマは半分を越えたあたりだろうか。きっと清家の「○○」に向けて突き進んでいく物語を、僕も引き続き楽しみにしています。

「毎週の放映をドキドキしながらみています」と語る著者の早見和真さん
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TBS系列 金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」
よる10時 絶賛放送中
出演 水川あさみ 玉山鉄二/櫻井 翔
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/

笑うマトリョーシカ (文春文庫 は 60-1)

笑うマトリョーシカ (文春文庫 は 60-1)

早見 和真

文藝春秋

2024年6月5日 発売