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「ルフィ」事件で有名になった「トクリュウ」とは? 警察は悲願の“仮装身分捜査”の実現に前のめり「米国ではマフィアなどへの大胆な潜入捜査も…」

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警察の現場が求める「身分を明かさない潜入捜査」

 捜査関係者は、「下っ端はその都度SNSで調達される上、その上役にしても実行犯に指示を出す指示役、金品のありそうな場所を探す情報屋、携帯電話などを用意する道具屋、収益をロンダリングするマネロン屋などに分かれており、従来型の捜査手法だけでその実態に迫るのは容易ではない」と危惧する。

ルフィグループの幹部・渡邉優樹被告(フィリピンの現地メディア「GMA news」より)

 そんな中、警察当局が布石を打ってきた。『白書』で現場が導入を求める捜査手法として「仮装身分捜査」について言及したのだ。

 この捜査は警察の身分を明かさない潜入捜査のこと。違法カジノで、客を装った内偵を行うなど、その亜流は使われているが、偽造の身分証明書を持つことを許すなどの法的裏付けはない。

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「仮装身分捜査は18年に始まった司法取引とともに導入が検討されたが、結局見送られた、警察当局が悲願とする捜査手法だ。米国ではマフィアなどへの大胆な潜入捜査も行われており、日本でも導入を求める現役は一定数いる」(同前)

 ただ、本格的な導入には法改正が必要で、リベラル系からの反発は必至。「今の政権の体たらくでは法改正にこぎ着けられるかは甚だ怪しい」(同前)との評がもっぱら。警察の「悲願達成」はいつになるのか?

「ルフィ」事件で有名になった「トクリュウ」とは? 警察は悲願の“仮装身分捜査”の実現に前のめり「米国ではマフィアなどへの大胆な潜入捜査も…」

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