22歳。プロ野球では「若手」と言われる年齢であるが、球界を沸かせている選手が台頭している。巨人の田口麗斗選手や福岡ソフトバンクの上林誠知選手、埼玉西武の森友哉選手など挙げられる。今回はプロ5年目22歳の若き侍、楽天イーグルスの松井裕樹選手にスポットを当てたいと思う。

おでんの具は「大根」が好きな松井裕樹選手 ©河内一朗

 今シーズンは決して好調な滑り出しとは言えないが、5/11のオリックス戦では8回を託され、きっちり「0」で封じた。「ん? 8回に松井裕樹?」と思った方も多いだろう。

 梨田監督は「松井にもっと状態を上げてほしいという思いがあった。良くなれば抑えに戻す」と話されていた。その言葉は確実に、本来の状態まで調子を上げて欲しいという監督からの大きな期待が込められている。そして間違いなくここから復調し、再びイーグルスのクローザーとして試合をキッチリ締めてくれる事を自分は強く信じている。

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絶対的守護神として3年連続30セーブ

 思えば野球ファンがTVに釘付けになった2013年10月24日、プロ野球ドラフト会議。5球団競合の中、1位で指名を受けて楽天イーグルスに入団したのが松井選手である。ルーキーイヤーは先発として起用され、2年目以降からはチームの絶対的守護神として9回を任されているのは言うまでもない。

 昨シーズンは史上7人目となる3年連続30セーブをマーク。その直後に話を聞かせてもらった。

河内「(3年連続30セーブを達成した)率直な気持ちを教えてください」

松井選手「毎年毎年30セーブを目標にしてやってるわけではないのですが、ケガもあった中、30セーブという一定の結果が出せたのは良かったです」

河内「最年少での記録更新となりましたが?」

松井選手「高卒2年目で抑えのポジションをやらせて頂いたのは普通に考えて少ない事だと思うので、任せてもらったからにはやってやる! という気持ちでした。でもまだやっと3年なのでベテランで長くやられている方を尊敬しますし、凄いなと思います」

 謙虚さの中にある、燃えたぎる闘志がたまらない。インタビューで、野球の話題について聞くと真剣な眼差しになり、最近見た映画の話や好きなおにぎりの具(おかか)の話になると優しいニンマリ顔になる。わずか2分そこそこの話でも、オン/オフの切り替えが感じられて驚かされる。