〈あらすじ〉
1928年、作曲家モーリス・ラヴェル(ラファエル・ペルソナ)は深刻なスランプに苦しんでいた。ダンサーのイダ・ルビンシュタイン(ジャンヌ・バリバール)から依頼された新作バレエの音楽も一音も書けないままだった。閃きを求めた彼は、第一次世界大戦、“ミューズ”ミシア(ドリヤ・ティリエ)への叶わぬ恋、最愛の母との永遠の別れなど、過去の痛みの記憶をたどっていく。
やがて家政婦のために演奏した流行歌からヒントを得て、ようやく新曲「ボレロ」が完成。最高傑作と絶賛されたその曲が、ラヴェルに劇薬のような影響を及ぼし始める。
〈解説〉
名曲誕生の秘密を描く音楽映画。『白雪姫 あなたが知らないグリム童話』に続く、アンヌ・フォンテーヌ監督作。121分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆物語の背景は最も好きな1920~30年代。ファッションもインテリアも見応えあり。ただ一点、ラヴェル役の俳優、魅力に欠ける。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★☆☆☆曲想を反映したかったのか、反復描写が無駄に多く、心が弾まない。映画に欠かせない有機的な化学反応が見られなかった。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆ラヴェルの語る音楽に対する表現が興味深い。苦しみつつ生みだされた楽曲にのって冒頭と終演の映像は興奮の面白さ。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆伝記+音楽+教養の愉しみ。「ボレロ」論に収斂させる形でラヴェル像を描く。映画の作りはシリーズ物の様な安定感。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆主演俳優、ジャンヌ・バリバールなど、キャスティングの秀美は仏映画におけるメソッド。欠けた部分も肉付けする。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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ボレロ 永遠の旋律(仏)
8月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
https://gaga.ne.jp/bolero/