1ページ目から読む
2/2ページ目
小泉にとって幸運だったのは、事務所が独断による行動を叱るのではなく「切っちゃったものは仕方がない。それを活かす方向で考えよう」という方向に進んでくれたことだ。
ちょっと強引だったが、“提案”は通ったわけだ。
オリコン初のトップ10入り
さて、そんなこんながあった『春風の誘惑』だが、オリコン最高10位を記録。小泉は初のトップ10入りを果たした。この曲を好きな曲に挙げるファンも多い。
喫茶店の片隅で紅茶を飲みながら「春になったら素敵な恋をしたいなぁ」と思いを巡らせる女の子。小泉のキュートな歌声が実にけなげだ。この曲が好きになるのは、わかる!
髙橋D時代のシングル4曲は、本人が歌いたい曲ではなかったかもしれないが、セールス面ではまずまずの結果を出した。小泉のアイドルとしてのポテンシャルが高かった証拠であり、私はこの“王道路線”が彼女の出発点でよかったと思う。
小泉が髪を切ったのも、その後の音楽活動のキーワードとなる“セルフプロデュース”に目覚めたのも、この最初の1年があったからこそだ。
そして“コイズミ劇場”の幕が、いよいよ切って落とされる……。