拠点を日本に戻し、『インキュベーター』に。

 本格的に拠点を日本に戻したのは20年のこと。GWG時代のスタッフらと立ち上げたコンサル会社「ブロードキャピタル・パートナーズ」で代表権のないCEOに就いている。

「私は破産宣告を受けた時には米国にいたので、債務の免責手続きができなかった。まだ債務が残っている可能性があるので、代表には就いていません。MEGUの売却益があるので、報酬ももらっていません。

 今の肩書きである『インキュベーター』とは、起業家を育てて発展させるという意味です。最初は顧問先が三十数社でした。それが20年の暮れに自伝を出版したら顧問先が急に増えて、今では175社です」

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 顧問料は、海外への事業展開を行う会社は月100万円から、未展開企業は事業規模に応じてランク分けし、30万円から。スタートアップ企業には割引もある。折口氏によれば「授業料なので前金で頂いている」といい、年商は数億円に上る。

「顧問先とは原則、毎月1時間、直接面談をします。そこで過去1カ月間で良かった点、改善すべき点をフィードバックします。顧問先とはLINEで繋がっており、判断に迷ったらいつでも僕に連絡して良いことにしています。相手に情熱がある限り、どこまでも伴走する。これを一生の仕事にしようと思っています」

トランプファミリーはMEGUの大ファン

 そんな折口氏が最も尊敬する人物は、米国のトランプ前大統領だという。

「05年にMEGU2号店のトランプワールドタワー(TWT)出店が決まり、トランプさんとNYで会食したことがあるんです。トランプファミリーはMEGUの大ファンで、トランプさんの誕生日会は毎年、MEGUで開くほど。会食もMEGUの本店で行われました」

尊敬する人物はトランプ前大統領

 この時、折口氏は約束の時間に遅れてしまった。だが、トランプ氏はわざわざ入り口で待っていて、

「道は混んでましたか?」

 と声をかけたという。

「つまり、僕が遅刻の言い訳をしないで済むようにしてくれたんです。その気遣いが素晴らしかった」

 現在、折口氏自身もTWTに部屋を所有する。

「トランプさんは人種差別的だという批判もありますが、TWTにはメキシコ人やバングラデシュ人、東欧の方などあらゆる人種の人が働いている。人種差別などなく、みんなトランプさんが好きなんですよ。

 彼が凄いのは、米国の歴史上、ビジネスマンで初めて大統領になったこと。そして戦争を起こさなかったことです。彼が大統領になったら大変なことになると思われていましたが、プーチンとも仲良くしたし、金正恩ともシンガポールで握手をしたわけですから」

 トランプ氏同様、折口氏もすっかり復活していた。