岸田首相が8月14日に不出馬を表明して以降、すでに10人以上の議員が出馬に意欲を示すなど、異例の乱戦模様となっている自民党総裁選。

 特に動向が注目されているのが、小林鷹之前経済安保相(49)と、小泉進次郎元環境相(43)という40代の2人の候補である。

 今回、なぜ小林氏や小泉氏といった若手候補が注目を集めているのか。永田町で長く取材を続けている「週刊文春」の河野嘉誠記者が語る。

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イクメンアピールにも余念がない進次郎氏 ©文藝春秋

「やはり裏金事件を経て、刷新感が非常に求められているというところで、若手がいいのではないかというムードが一つあります」

 刷新を掲げる若手候補という点で2人の候補は似通っているが、一方で大きな違いもあるという。

「小林鷹之さんの出馬は、福田達夫元総務会長や、武部新衆院議員といった当選同期である4期生たちが彼を担ごうと、勝手連的に周囲の議員に声をかけていったという経緯でした。1~4期生を中心にした若手国会議員の仲間から、彼がいいのではないかということで推されたということです。ただ、小林さんを支持する議員はニッチというか、正直なところとても力のある議員が集まっているという感じではない」(河野記者)

小林鷹之氏 ©文藝春秋

 小林氏は当選同期たちからの支持を受け、一気に今回の総裁選の注目候補となった。一方、小泉進次郎氏は、小林氏とは全く異なる支持層を持っているという。

「小泉進次郎さんは圧倒的な知名度を背景に、菅義偉前首相や森喜朗元首相といった大物が支援に回っています。また次の選挙が心配な層も、選挙の顔として進次郎さんに期待している。小林さんと比べるとかなり幅広い多数の議員が支持している状態で、今ここに来て、進次郎さんはかなり本命視されています」(同前)

 さらに“派閥”の違いも、小泉氏に有利に働いているという。

「小林さんは二階派出身で二階派色が強く、二階俊博元幹事長に感謝しているとか、伊吹文明先生にご指導いただいたとか、そういったことを言っている方でもあります。一方、進次郎さんはーー」

 果たして、小泉氏が総裁選を制するのか。それとも別の候補が総裁の座を得るのか。小林氏と小泉氏の「永田町での評判」や、両者が抱える「リスク」や「派閥色」、岸田首相が不出馬を決断した背景、決選投票で予想される展開などを記者が解説した動画番組の全編は「週刊文春電子版」で見ることができる。

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