ずいぶんな言いよう、『ドルで書いときゃ分からない』

 口の軽さには定評がある。今春ある団体から表敬訪問を受け、市長室で歓談した際には、こんなことまで口走っていた。

「鳥取県なんか姫路市よりも小さいですからね。あんなとこはもう島根と一緒になって『ネットリ県』になったらええんですよ」

 そして極め付きが今年3月の姫路城世界遺産登録30周年記念式典。小誌は、清元氏が壇上から言い放った音声を入手した。

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「姫路城、ちょっと摩耗が激しくなっていますので……入城料上がります。(略)ドルで書いときゃ分からないかなと思っていますので、皆さんは1000円で、外国の方は、100ドルぐらい?」

 冒頭紹介した6月より前に二重価格に言及し、外国人からは日本円で1万5000円、つまり日本人の15倍もの入城料を徴収する構想をぶち上げていたのだ。

「さすがに司会者が笑いながら『高すぎ!』とツッコミを入れていた。『ドルで書いときゃ分からない』の真意は分かりませんが、姫路を訪れてくれる外国人に対してずいぶんな言いようだと感じました」(式典参加者)

「度量衡の問題ですからねえ」

 発言の意図を問うべく、市長を直撃した。

――3月に発言した「ドルで書いときゃ分からない」というのはどういう意図?

「いやそんなのは基本的に、度量衡の問題ですからねえ」

――度量衡?

「(記者の体躯をまじまじ眺めて)『百貫デブ』ってよく言いますけど、百貫が何キロなのか、みんな分からないでしょう?」

――協議の上での発言だったんですか?

「でも頭出ししなければ、3年後に料金変えても『唐突だ』って言われるでしょ? 最終決定されたことしか言ってはいけないの?」

――いきなり「100ドルにします」などと言ってしまうから突っ込まれるのでは。

「それがどうしました? 政治家だから、それはある程度リードをかけていくのはしょうがない」

「さすが文春さんですねー。」

――鳥取と島根を「ネットリ県」と揶揄した?

「私的な会で言ったことと、公的な会で言ってることを混同しないでください」

――公務中の発言だったことを確認しています。

「大変参考になりました。さすが文春さんですねー。これからは気をつけて丁寧な発言を心がけますー!」

 改めて市に問うと、「ドルで書いときゃ」発言については「ふさわしくなかった」とし、「ネットリ県」などの発言については「お詫びして取り下げます」とした。

 為替を悪用する“白サギ城”なんて呼ばれないようお気を付けて!