「外国の人は30ドル払ってもらい、市民は5ドルくらいにしたい」

 世界遺産・姫路城の入城料を巡り、今年6月、国際会議の場で宣言したのは(きよ)(もと)(ひで)(やす)・姫路市長(60)だ。

世界遺産の姫路城

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市長の値上げ発言が物議に

 現在、姫路城の入城料は1000円。市長の値上げ発言が物議を醸している。

「市長は値上げの理由を『耐震補強等に必要なコスト』などとしていますが、問題は外国人と日本人で差をつける『二重価格』。インドのタージマハルやカンボジアのアンコールワットなど、自国民と外国人とで二重価格を設定するのは世界的には珍しくないですが、国内では前例がない。この発言がニュースで取り上げられると賛否両論が巻き起こりました」(地元記者)

観光客の多くが外国人

 1ドル150円と仮定すれば30ドルは4500円、5ドルは750円だ。

「本来は担当部局との調整や市議会での議論を経て発表すべきこと。『具体的にいくらにする』とか『二重価格にする』なんて話は全く決まっていなかった。ですが市長の発言によって市職員は火消しに走らざるを得なくなりました。当の市長は記者会見で『発言が独り歩きしたことは本意ではない』と、報道に恨み事を言う始末」(同前)

常に『自分は何でも知っている』という態度

 医師・東北大客員教授という肩書を引っ提げ、姫路市長選に初当選したのは2019年。現在2期目だ。

「政治家としてはまだ新人。なのに『自分は何でも知っている』という態度で人に接し、職員に対しては常に『エビデンスは?』と詰める。市民をバカにしているのか、あちこちで『姫路市民の文化度は低い』と言い回っていて、昨年は市民文化祭をいきなり廃止した。議会も軽視して、検討中の話を自分のお手柄みたいにあちこちで言ってしまう。姫路城の話がニュースになった時も『またやった』と思いました」(ベテラン市議)

清元姫路市長

 スタンドプレーはお手の物。今春には、人事でもその手腕を存分に発揮した。

「元TBSアナの久保田智子氏が教育長、元日テレアナの加藤聡氏が新設ポストの総合教育監、元外務官僚の山田基靖氏が副市長になりましたが、3人とも市内の『姫路女学院』関係者。その学校は清元氏を後継指名した前市長が特別顧問で、清元氏自身も懇意。人選も含めて市議会では訝しむ声もある」(同前)