兵庫県・斎藤元彦知事(46)の“おねだり・パワハラ疑惑”などを告発する文書を作成した西播磨県民局長(当時)の男性X氏が、県側から突如解任を言い渡され、今年7月に姫路市内の生家で自死を遂げた問題。「週刊文春」および「週刊文春電子版」では、片山安孝元副知事によるX氏への「事情聴取音声」をはじめ、これまで合計10本以上のスクープ記事を配信してきた。

 9月19日に開会予定の県議会では、斎藤知事に対する不信任決議案が提出され、全会一致で可決される見通しだ。「週刊文春」編集部のK記者が解説する。

斎藤知事 ©時事通信

「どっち向いて仕事してんねん」

「不信任案が提出された場合、このままだと可決される公算が大きいので、知事は県議会を解散するか、さもなくば失職することになります。もし解散を選んでも、県議選後の議会で再び不信任案が可決されれば、結局、知事は失職することになります」

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 もし県議会が解散されれば、兵庫の県政史上のみならず、日本の地方自治制度上で初めての事態となる。現地で暮らす有権者は、斎藤知事の対応をどう見てきたのか。

「実は、兵庫県には“ある事情”があり、総務官僚出身の方が歴代の知事を務めてきました。とはいえ、例えば仮に東京出身の元総務官僚の方でも、知事の任期である4年間ほどを県内で過ごし、県政を担っていれば、県民感情や県の歴史について、県の方々が何を大事にしているのかは自ずと見えてくるものなんです。

 ここ2ヶ月ほど集中的に取材している限りでは、斎藤知事の視線は、大阪の吉村洋文府知事や維新陣営、あるいは全国ネットのテレビカメラの方を向いていて、自分がテレビにどう映るかばかりを気にしているという指摘、いわゆる『どっち向いて仕事してんねん』という声を聞くことが多かったです」(K記者)

 県知事が有権者の声に耳を傾ける日は来るのか――。

「日本維新の会」の掘井健智・衆議院議員がX氏を貶めた衝撃発言の内容、斎藤知事を生んだ“維新政治”の大きな問題点、歴代知事に総務官僚出身者が多い“兵庫県特有の事情”などをK記者が解説した有料番組の全編は「週刊文春電子版」を購読すると読める。