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なりやすい人は分かっていない  

鈴木さんは「日本では人口の0.9%(約100人に1人)がアニサキスアレルギーと診断される可能性がある」と推測するが、どのような人がなりやすいなど、傾向はあるのだろうか。 

「アレルギー発症のメカニズムは完全に解明されていないので、断言するのが難しいのです。たくさんアレルゲンに触れている(食べている)人の方がなりやすいという傾向はありますが、同じ物を食べていて発症する人もいれば、しない人もいます。 1回も触れていない人がならないわけでもありません。エビ・カニアレルギーの人が、アニサキスのアレルゲンに反応してしまうというパターンもあります。また、アニサキス症に感染した人が発症しやすくなるという説もありますが、はっきりと連続した関係があるかどうかは分かっていません」 

魚介が食べられなくなる?  

じんましんや腹痛や、酷ければアナフィラキシーショックになるというアニサキスアレルギー。症状には軽症から重症まであるようだが、もしなってしまった場合はその後、魚を食べてもいいのだろうか。鈴木さんは、「加熱すればOKなど、医師によって方針は違いますが…」としつつこう答える。 

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アニサキスアレルギーではじんましんが出る場合もあるという(画像はイメージ)

「アニサキスアレルギーの症状が出た方、特にアナフィラキシーやアナフィラキシーショックを起こした方には、原則、魚介類は一定期間避けてもらうようにしています。その理由は、患者さんによって、症状の種類や、起きやすさ、軽さ・重さが全く違い、現在の医学ではどの人にどのような症状が出るのか予測が不可能だからです」 

では、治療方法はあるのだろうか。 

「アレルギー全般に言えることですが、現時点でアレルギーを根本的に治す薬はありません。私の場合、一定期間魚介類を避けた後、患者さんの希望も聞きつつ、少しずつ食べて慣れる治療をしています」 

繰り返し症状が出れば受診を 

最後に、どのような症状が出ればアニサキスアレルギーを疑うべきなのか。また、受診の目安について聞いてみると、次のようにアドバイスをしてくれた。