文芸評論家の浜崎洋介氏と、評論家の與那覇潤氏が9月12日、「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演。9月27日の自民党総裁選、11月の米大統領選を前に、「日米リーダー交代で世界は変わるか?」をテーマに議論を交わした。

「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演した浜崎洋介氏 ©文藝春秋

進次郎氏の「天然陽キャ感」

 自民党総裁選については、人気投票になっていることへの違和感に触れた上で、浜崎氏は「経済政策についてちゃんと触れている候補」がいないことへの疑念を呈した。

 今回、小泉進次郎氏が世論調査で先行したが、與那覇氏は、小泉氏と故・安倍晋三氏を比較。世襲の政治家でありながら、その違いの大きさを指摘した。

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「第一次安倍政権のころはイデオロギーが強く、ルサンチマンのある人だったのが安倍さん。進次郎さんは最初からそんなに屈託があるようには見えない。政治家はプーチンや第一次政権の頃の安倍さんのように“癒されない何か”を抱えている人と、進次郎さんみたいにそうではない人に分かれている」(與那覇氏)

 ただし、「天然陽キャ感」がある小泉氏に対して、「葛藤を知らないタイプで、そこが弱い」と二人は評した。

「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演した與那覇潤氏 ©文藝春秋

「保守だって理屈で考えている」

 二人は現在、月刊「文藝春秋」でリレー連載「『保守』と『リベラル』のための教科書」を担当、古典の議論を振り返りつつ、現代の問題を考察している。

 エドマンド・バークなど比較的「王道」の本を取り上げる浜崎氏と、山本おさむの漫画『赤狩り』など、より大衆的な、あまり教科書っぽくない本を取り上げる與那覇氏。選書の理由については、「保守だって理屈で考えている」ことを強調したいという浜崎氏に対し、與那覇氏は“偉い人がこう言っている”から離れた、個々人の感性の息吹が感じられることを重視したという。

文藝春秋 電子版」では、90分におよぶ番組「日米リーダー交代で世界は変わるか?『保守』と『リベラル』のための教科書 第2回」のフル動画を配信している。