フリーターのタパ子が告発系インフルエンサーとなり、ネットでバズりまくって底辺から這い上がる様子を描いた漫画『死ぬまでバズってろ!!』。フリーアナウンサーのひき逃げ事件の動画を撮影したタパ子は、SNSの話題をさらうが、ある日、そのフリーアナウンサーの娘がバイト先にやってきて――。
芸能界ゴシップを狙うタパ子と、タパ子によって地位を脅かされた人たちの緊迫したやりとりに目が離せない一作です。9月25日の第1巻発売を記念して、同作を執筆した経緯や、漫画のために行った取材について著者のふせでぃさんに聞きました。
自身のバズ経験が制作のきっかけに
――漫画『死ぬまでバズってろ!!』の構想のきっかけを教えてください。
ふせでぃ 自分もネットで注目された経験があったので、その時の感情をエンタメとして物語に落とし込めないかなと考えたのがきっかけです。
――ふせでぃさん自身は、Instagramにアップしたイラストが話題となり、イラストレーター、そして漫画家として多くの著書を出すようになったんですよね。
ふせでぃ 6年前に初めて本を出した頃は、ネット上の小さな世界で人気が出る実感がありました。その頃は、「発信を続けていれば、誰かが見つけてくれるんだ」と思ったんです。今作では自分の話をそのまま描くわけじゃないけど、その時の感覚をうまく取り入れています。
数字を追い続けると、何を創作したいのかわからなくなって
――タイトルに込めた思いは?
ふせでぃ ストーリーとキャラクターがぶれないように決めました。主人公がバズを追い求めて、最後まで走り抜けるストーリーです。
でも私自身は「バズ」に飽きているというか、少し疲れていて。昔から「今、バズっているイラストレーター」と紹介されることが多かったんですけど、「人気は今だけってこと?」ってポジティブに受け止められなかったんですよね。
私はずっと同じテンションで絵を描いているだけなのに、話題になったらそういう紹介をされることに違和感があって。当時はたくさんのファンレターをいただけて本当にうれしかったですけど、「5年後には、こんな熱量のファンレターをもらうことはないんだろうな」って勝手に想像して、寂しさもありました。