9月25日、日本維新の会・藤田文武幹事長は、次期衆院選で京都4区からの立候補を予定していた新人の松井春樹氏(26)の立候補辞退を正式に発表した。

 地元記者が解説する。

「松井事務所の事務局長だったK氏が、その素性を隠して、同じ選挙区の北神圭朗衆院議員(57)の事務所に潜り込んでいたのです。潜入は昨年末から今年6月まで、約半年間続いた。他陣営の演説をこっそり聞きに行く程度の偵察ならよくあることですが、他陣営に入り込むなんで聞いたことがない。しかも同じ選挙区で戦うライバル候補の事務所。まさに前代未聞の事件です」

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現在26歳の松井春樹氏 ©時事通信社

東大法学部→弁護士という経歴の松井氏

 北神氏は、2021年の前回衆院選では、自民党の前職を破り無所属で当選。一方の新人候補である松井氏は、京都の名門堀川高校から東大法学部に進学。卒業後は弁護士として森・濱田松本法律事務所に勤務した生粋のエリートで、昨年6月、当時25歳の若さで日本維新の会から公認を受けた。

松井氏のXより

「松井君は自ら維新に応募してきた。若くて頭がよく、経歴もピカピカ。我々も飛びつきました。昨年の解散風のとき、選挙を見こして4区支部長に就任させた。将来、党の中枢を背負うと目された期待の新人だったんですが……」(京都維新関係者)

 そんなエリート弁護士の陣営によるスパイ疑惑は、どのようなものだったのか。