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大きな転機になったのは、“あの作品”?

――主人公の幼馴染役に扮したNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018)は、大きな転機になった作品のような気がします。ご自身にとっては?

奈緒 大きかったですね。朝ドラはたくさんの方たちが毎朝観てくださって、みなさんの日常生活に影響を及ぼすエンターテインメントだと思うんです。あのときは気づかなかったけど、それだけ多くの人が観てくださるということがどんなことなのか、責任感が芽生えるきっかけになったと思います。

 

自分にとって大きな自信になったこと

――それは自信にもつながりましたか?

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奈緒 そうかもしれませんね。『半分、青い。』はオーディションを経て出演しましたけど、約11カ月間、みんなで一緒にもの作りをしていくチームに入れてもらえたことは、当時の自分にとって大きな自信になりました。なにより母が喜んでくれたことが大きかったです。

 もちろんたくさんの方に観ていただいたり、応援していただいたりすることは、本当に大きなパワーになるんですけど、たとえ100人の方に応援していただいても、母から応援できないと言われたらものすごく落ち込んでしまう。そういう意味では、あのとき母が心から喜んでくれる姿を見て、やっとこの仕事をやっていけると思えるようになった気がします。

――そうやって作品を経るごとに、自信を積み重ねていって。

奈緒 うーん、いまも自信があるかどうかと言われると、あまりないんです。でも自信がなくてもいいのかなって、キャリアを重ねれば重ねるほど思うようになりました。自信のない自分を受け入れられるようになってきたのかもしれませんね。

撮影 深野未季/文藝春秋