「主なシノギとしては、借金の取り立てやら恐喝やら覚醒剤の販売やら、あとは女の子を風俗に沈めたりしていましたね。当時、三重県に売春で栄えている『売春島』というのがあって…」

 日本最初の女ヤクザとして認定され、更生を果たした今は岐阜県を中心に暴力団および非行少年の更生支援や、清掃ボランティア活動などに励む西村まこさん。インタビュー第2弾では、「暴力団のビジネスモデル」について直撃。当時の彼女はどうやって飯を食っていたのか?(全6回の2回目/最初から読む)

知られざる暴力団のビジネスモデルとは? ©細田忠/文藝春秋

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ヤクザの収入事情

――ヤクザとして、どんなことで収入を得ていたんですか?

西村まこ(以下、西村) 主なシノギとしては、借金の取り立てやら恐喝やら覚醒剤の販売やら、あとは女の子を風俗に沈めたりしていましたね。当時、三重県に売春で栄えている「売春島」というのがあって、借金を抱えている女の子をそこに売り渡していました。関係者に分け前を渡しても女の子ひとりにつき200万円くらい儲かったかな。

 借金の取り立てのコツとしては、しつこくやることですね。相手の家に毎日毎日行って、近所の人に聞こえるような大声を出せば、相手もしぶしぶ家から出てきてお金を返します。

――毎日か……。ヤクザってまめですね。

西村 本当そうですよね。シャブだって、警察にバレたくないなら自分で全部やるのが一番です。面倒くさがって手を抜くと、そこからパクられるんです。自分で仕入先までシャブを取りに行って、自分でパッケージに小分けして、自分で客に売る。客も厳選してきっちりやっていたので、今までチンコロ(密告)されたことはありません。

――ヤクザって儲かるものですか?

西村 周りのヤクザにお金を貸したりしていたし、私は儲かっているほうだったんじゃないかと思います。ただ、あるだけすぐ使っちゃう性分なので、当時の年収とかは把握していません。

――お金は何に使っていたんですか?