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チャチャに思い出させてもらったこと

――好きな人に振り向いてもらえない、思うような仕事ができないこともあります。そんなときも自分を好きでいられるものでしょうか。

 私はずっと、ゼロから何かを生み出さないと価値がないと考えて、自分がそれをできないことに劣等感を抱いていました。でも私にはつなぐ力があるのではないかと思えたときに、肩の力が抜け、このままでいいんだと自分を認めることができました。

 結局、「こうでないといけない」という壁を自分でつくっていただけなんですよね。振り向かれようが振り向かれなかろうが、できようができまいが、自分が好きならそれでいい。今はそう思っています。

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――作品からもその伊藤さんの想いが伝わります。

 私も、チャチャに忘れていたフラットな状態の自分や、10代の頃の純粋な気持ちを思い出させてもらった気がします。ぜひ劇場に、何度も会いに来てください。

 

いとう・まりか 1996年、大阪府生まれ。2011年から17年まで乃木坂46一期生メンバーとして活動。現在は俳優としてドラマ・映画・舞台に出演する一方、クリエイターとして個展なども開催。初主演映画『サマーフィルムにのって』(21年)では、TAMA映画賞最優秀新進女優賞、第31回日本映画批評家大賞新人女優賞を受賞。近作はNHKドラマ『燕は戻ってこない』『パーセント』(共に24年)。待機作に映画『オアシス』(11月公開予定)、『港に灯がともる』(25年1月公開予定)がある。

INTRODUCTION
新進女優×次世代監督による映画シリーズ「(not)HEROINE movies」の第4弾。ドラマ「美しい彼」シリーズ、『劇場版 美しい彼~eternal~』(23年)で多くのファンの心をつかみ、多くのドラマも手がける酒井麻衣監督の7年ぶりとなるオリジナル長編映画。主人公・チャチャに俳優・クリエイターとして活躍する伊藤万理華、チャチャが想いを寄せる相手・樂に、若手実力派俳優の中川大志を起用。観客を惹きつけながら突き放す酒井監督の美意識を集約させた、ジャンルレスな作品となっている。

STORY
上司から才能を評価されているイラストレーターのチャチャ(伊藤万理華)。同僚から陰口を叩かれても、「人目を気にせず、好きなように生きる」を信条に、“野良猫”のように自由奔放に生きている。ある日、事務所が入るビルの屋上喫煙所で、1階のレストランで働く樂(中川大志)と出会ったチャチャ。樂が落とした鍵を拾ったことから距離が縮まり、やがてチャチャは樂の家に居付くようになる。しかし彼には秘密があった。

STAFF & CAST
監督・脚本:酒井麻衣/出演:伊藤万理華、中川大志、藤間爽子、塩野瑛久、ステファニー・アリアン、藤井隆/2024年/日本/108分/配給:メ~テレ、カルチュア・パブリッシャーズ/©2024「チャチャ」製作委員会

深野未季=写真
和田ミリ=スタイリング
外山友香(mod’shair)=ヘアメイク
衣装協力:ヨウヘイ オオノ、フミエタナカ(ドール)