近年YouTubeやSNSで一気に認知度があがり、大きな注目を集めている化粧品成分・レチノール。メディカルコスメ大手「ドクターシーラボ」も今夏からTVCMなどで「レチノールゲル」を売りに広告を打つ肝いり商品となっている。宣伝しているのは、ブランドアンバサダーを務める元NMB48の山本彩(31)だ。
専門家は…「刺激性に注意」「皮膚のかぶれを訴えて来院も」
そもそもレチノールとはどんな成分なのか。皮膚科が専門のひまわり医院・伊藤大介院長が解説する。
「ビタミンAの一種で、肌のターンオーバーや、コラーゲン生成を促すなど、様々な美肌効果で知られています。その一方で、濃度の高い純粋レチノールになるほど、その刺激性に注意が必要です。当院でも皮膚のかぶれを訴えて来院される方は多いです」
「誇大広告に当たるのでは」指摘が相次ぐ
そんなレチノールを前面に押し出し、ドクターシーラボはCMやネット広告で「純粋レチノールゲル」と宣伝しているのだが、
「医薬部外品は、厚生労働省が認可した効果・効能に有効な成分が一定濃度で配合されている製品を指す。この商品はナイアシンアミドのみがシワ改善の有効成分として認められていますが、同社が打ち出すのは『純粋レチノールゲル』という言葉ばかり。この手法だと消費者は、レチノールが有効成分として認められた商品だと誤認してしまう。これが薬機法や景品表示法で規制されている誇大広告に当たるのでは、との指摘が相次いでいるのです」(専門誌記者)
有効成分ほどの効果は見込めない
たしかに公式HPの商品ページでまず目につくのは「薬用純粋レチノールゲル」という大文字。有効成分がナイアシンアミドである記述は、広告の後半まで確認できず、その前に「ご購入はこちら」と出てくる。そもそも、医薬部外品は、有効成分以外の成分について「有効成分的性質を期待して配合することは不可」という申請規定がある。つまり「同商品のレチノールに、有効成分ほどの効果は見込めない」(同前)のだ。
同商品を巡る疑義はこれだけではないーー。
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他にも疑われる薬機法や景品表示法の違反、そして疑惑に対するドクターシーラボの回答は、10月9日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および10月10日(木)発売の「週刊文春」で詳しく報じている。
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