難関校進学を目指す中国人の子弟も
彼らが今、日本に根を張り、日本社会の中に着実に浸透しはじめている。日常生活の舞台で彼らが普通に電車に乗り、友達と会話し、買い物をする。ちょっとおしゃれな服装で、その辺の日本人よりもリッチに見える人も多い。そして彼らの姿が現在の日本のエリート社会にも広がり始めている。
2023年12月23日の東洋経済オンラインで中国・東南アジアジャーナリストの舛友雄大氏がとりあげた「中学受験で躍進する中国人『裏SAPIX』の驚愕実態」では、中学受験塾の名門SAPIXの生徒6000名中、300名から400名が中国人子弟である実態が報告された。SAPIXの入塾には厳しいテストが施され、各小学校でも上位の子しか入塾が叶わない。中国人子弟たちは塾の中でも成績上位を占め、普通に男子は筑波大附属駒場、開成、麻布へ、女子は桜蔭、女子学院、豊島岡などに進学するのだという。
東京大学に在籍する外国人学生、留学生の増加
本当だろうか。そこで東京大学における外国人学生の実態を調べてみた。東京大学では外国人学生については留学生と外国人学生に分けて集計している。このうち留学生は2024年5月1日現在で5104人。2000年では1996名であったからなんとこの四半世紀の間に2.55倍に急増していることがわかる。
東京大学にもいろいろな機関があるので、研究生や聴講生を除いた学部正規学生と大学院修士課程、博士課程でみると、やはりその数の多さに驚かされる。
学部正規学生は全体1万4058名中、外国人学生474名、留学生285名の計759名が在籍している。全体比率で5.4%。これが大学院になると修士課程7051名中、外国人1877名、留学生1757名の計3634名となんと修士課程学生の半数が外国人である。さらに博士課程6528名では外国人学生2286名、留学生2167名の計4453名。実にその比率は68.2%となっている。
留学生の内訳をみると正規学生数285名のうち136名、修士課程は1757名中1330名、博士課程は2167名中1536名と大半が中国人留学生だ。外国人学生数の国別の内訳は公表資料には存在していないが、かなりの割合を占めていることが想像される。