センスの哲学』が話題の哲学者・千葉雅也さん。「センス」や「芸術」、あるいは「芸術と生活」について、読者の疑問に応える連載「センスにまつわる質問箱」も6回目。本日は、映画の見方にモヤモヤする17歳からの質問に答えます。

『センスの哲学』(千葉雅也 著)

【vol.6 難解な映画を消化するには?】
 芸術的な映画とか、難解な映画を観ても自分の中で消化しきれずに、モヤモヤしながらしばらく日々を過ごすことがあります。どうすればもう少しスッキリできるでしょうか(九鬼うてな、京都府、高校生・予備校生、17歳)

千葉さんのお答え モヤモヤしていることをそのまま語ってみる

 難解な映画というのは、消化しきれないところが魅力なので、スッキリできなくてもいいんです。でも、その作品を自分なりに受け止めるには、やはり何か「書く」のがいいと思います。映画を観た直後でも数日後でも、思ったことを、断片的にでもいいから短い文章にしたり、あるいは音声入力してみる。モヤモヤしていることをそのまま語ってみる。納得してスッキリしようとするのではなく、時間を置いて考えるのがいいと思います。

センスの哲学

センスの哲学

千葉 雅也

文藝春秋

2024年4月5日 発売