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子どもの言い訳のような弁護側の主張は退けられ、懲役2年

 事件が起きたのは昨年6月。検察側はオットー被告が2階ベランダに上って住民男性を「強盗だ!」と脅し、スコップを押しつけてけがをさせたと主張していた。

「一方の弁護側はまさかの無罪主張でした。住宅からガソリンの匂いがしたため、火事が起きる恐れがあると感じて住民に避難を呼びかけるために『Go to a door』と言ったというのが弁護側の理論でした」(前出・記者)

オットー被告(FNNプライムオンラインより)

 一見、子どもの言い訳のような申し立てだが、地裁の島戸純裁判長は、検察側の主張の一部を退け、強盗に関しては無罪として、傷害罪などを適用、求刑の懲役6年に対し、懲役2年の刑を言い渡した。

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 司法関係者は「判決は被告の発言が『Go to a door』だった、とは認めませんでしたが、『強盗だ』だったとも限らないとし、驚いた住民が発言を取り違えた可能性を考慮したのです。『空耳』が一部とはいえ無罪につながった刑事裁判は聞いたことがありません」と驚きを隠さない。

 ちなみにオットー被告は住居に侵入した理由として、アクロバティックに壁から壁を飛び跳ねるアーバンスポーツ「パルクール」をしていたからと公判で語ったというが、判決では一顧だにされなかったという。

 今後、刑が確定した場合、オットー被告は1年近くの“空耳アワー”を塀の中で過ごす見込みだ。