「時間を元に戻すことは出来ないし、あの女の子を生き返らせてあげることも出来ません。でも、息子はどうしてあんなことをしたのか。心当たりは……」
大阪・ミナミのホテルで10代の少女が殺害された事件。逮捕された男の母親(60)は肩を落として小誌の取材にこう語り始めた。
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福井と被害少女の間でトラブルが
事件が起きたのは9月28日のこと。大阪市中央区道頓堀のラブホテルで、同市生野区に住む無職・浜田悠愛さん(17)が何者かに首を絞められ死亡しているのが見つかったのだ。
「大阪府警は殺人事件と断定し、一緒にホテルに入り窓から逃げた男を重要参考人とみて捜査を進めていました」(府警担当記者)
事態が動いたのは10月9日。逃走中の男が横浜市内に滞在しているとの情報が寄せられ、漫画喫茶から出てきたところを捜査員が確保。殺人の疑いで逮捕されたのは住所不定・無職の福井竣介容疑者(30)だった。
捜査関係者が言う。
「福井と被害少女は初対面。SNSで売買春の約束を取り付けた上で会っていたが、ホテル内で性行為を巡るトラブルが発生。口論の末、カッとなった福井が少女の首に手をかけたようだ」
夢に向かって突き進んでいたはずの福井
そんな衝動的な犯行に及んだ福井が生まれ育ったのは、岐阜県山県市内の緑に囲まれた地域だった。
近隣住民が語る。
「福井の家は、ずいぶん昔は縫製工場を営んでいました。でも、彼が幼い頃に経営難に陥り、いつしか工場は閉鎖された。小学校の頃は書道教室に通っており、コンクールで金賞を取るくらい字が上手い子でした」
地元の中学・高校を卒業し、自動車整備士の養成に重点を置く中日本自動車短期大学に進学。夢に向かって突き進んでいた。
奨学金を父親が使い込む
ところが――。
福井の知人が明かす。
「借りていた奨学金を父親が使い込んでしまい、学費が払えなくなって中退することになったのです」
資格取得を諦めた福井は、ファミレスやパチンコ店などでバイトをするようになったが、どれも長くは続かなかった。
「群馬出身の彼女を追いかけて、それまで続けていたバイトをスパッと辞めて伊勢崎市内で同棲していた時期もあった。そのまま結婚するのかと思っていたら、結局別れて地元に戻ってきていました」(同前)