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 YouTubeでは、ヌードや性的なコンテンツは、利用規約で禁止されている。具体的には、「性的満足を目的とするヌードまたは部分的なヌード」「性的満足を目的として、胸部、臀部、生殖器部を合意なく拡大したり、執拗に強調したりするコンテンツ」などが対象だ。

 ただし、「教育的なコンテンツ」についてはその対象から例外とされることがある。問題のある搾乳動画が野放図になっているのは、この例外措置があるからだ。

 また2023年11月には、それまでアダルトコンテンツにカテゴリされていた2つのガイドラインが改定されている。それが「母乳育児」と「官能的なダンス」だ。過去には、乳輪が見えない場合に限って収益化が可能だったが、現在は乳輪が見えている場合でも広告収入が得られるようになった。その結果、今回紹介したような「搾乳動画」が大量投稿されるようになったのだろう。

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なぜ搾乳動画の削除は難しいのか?

 過去には多くのSNSで禁止対象となっていた搾乳コンテンツだが、今では主要SNSの多くが受け入れている。たとえば、Instagramの規約を見ると、こう書かれている。

「授乳は自然かつ美しい行為であり、Instagramでその経験をシェアできることが育児中の方にとって重要であるとInstagramは考えています。このような投稿のほとんどは当社のポリシーに適合しています」

(画像:Instagramの規約より)

 また過去には、未熟児で生まれたわが子への授乳中の写真をFacebookから削除された母親が怒り、騒動になったこともある。彼女は抗議の意を込め、母乳育児グループのFacebookページに授乳写真を再投稿。コメント欄には賛同する母親たちによる授乳写真が多数投稿されたほか、運営会社に直接抗議する人も相次いだ。

 SNSが搾乳・授乳動画に寛容なのも、そうした歴史があるからだ。