「この子たちが死ねば、私は自由になって、楽しい生活を送れるんだわ」――自身の欲望を優先し、2人の子供を1ヵ月もの間、育児放棄した21歳女性。この痛ましい事件は、どんな結末を迎えたのか? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 女の性犯罪事件簿』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なお本書の登場人物はすべて仮名であり、情報は初出誌掲載当時のものである。(全2回の2回目/最初から読む)
◆◆◆
「ママ、遅いよ…」
真理は仰天した。
(何で生きてるの…?)
三男は台所で仰向けに死んでいた。真理は三男の遺体をタオルとゴミ袋で包み、段ボールに詰めると、「残っている荷物があるから、取りに来て」と交際相手に連絡した。
交際相手が生ゴミのような臭いにいぶかしがると、「部屋の中に生ゴミが散乱していて、その臭いが移った」と言ってごまかした。
こうして交際相手は何も知らず、自宅の物置に三男の遺体を置くことになった。
だが、ガリガリの長男を連れた真理と男性の関係は次第に冷えていき、その男性との間の子供を妊娠中だったにもかかわらず、それから1カ月後に別れることになった。