真理は長男を連れて母親のいる実家に戻ったが、三男の所在を尋ねられ、「友達のところに預けてある」と言ってごまかした。
母親にも不審がられ、真理は実家に居づらくなって、長男を連れて家を出た。再び市役所児童家庭課を訪ね、「子供を預かってほしい」と相談したところ、担当者がガリガリにやせ細った長男の姿を見て驚き、児童相談所に通告した。
長男はその日のうちに緊急保護されたが、児童相談所が三男の所在について尋ねたところ、「知り合いのところに預けてある。詳しくは言えない」などと曖昧な説明に終始したため、警察に通報。警察の捜査が始まり、警察が元交際相手の自宅を任意で家宅捜索したところ、物置の段ボールの中から腐敗した幼児の遺体が見つかった。
「最低のことをしたと思います」
このことを追及されると、真理はすべての経緯を自供した。
「最低のことをしたと思います。どんな罰でも受けます。今まで出会った人たちにごめんなさいとありがとうと言いたい」
真理は獄中で4人目の子供を出産した。だが、母親には引き取りを拒否された。長男は児童養護施設に預けられることになった。
あまりにも未熟なギャルママでありながら、周囲から適切な支援も受けられず、孤立していった様子が透けて見える。事件は社会全体にも重い課題を突き付けた。
裁判所は「食事などの面倒を見ずに子供たちを放置したのは未必の故意にあたり、殺人罪が成立する。男性との交際の邪魔になると育児放棄し、自分の楽しみを優先するなど、犯行は自分本位で場当たり的。事件に至る動機は身勝手で悪質だ」と断罪し、真理に懲役15年を言い渡した。