日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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★セブンを伊藤忠が救う?
カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)の買収提案に、セブン&アイ・ホールディングス(HD、井阪隆一社長)が大騒ぎしている。混乱ぶりを象徴するのが、10月10日の2024年3〜8月期の決算発表時の出来事だ。
当初、ACTが提示した買収総額は6兆円程度だったとされるが、セブンが「過小評価している」などと回答し、ACTは7兆円に引き上げた。この10月はACTの再提案に対してセブンが回答する場となったのだが、注目の中身は「セブン&アイ・ホールディングス」から「セブン-イレブン・コーポレーション(仮)」への社名変更だった。「セブン&アイ」のセブンはセブン-イレブン、アイはイトーヨーカ堂を指す。社名変更はセブン&アイHDが祖業のヨーカ堂を売却する方針を固めたことに伴うものだが、金融関係者はこう呟く。
「お荷物のヨーカ堂を売却するとは、セブン&アイHDを身ぎれいにして、買収しやすくすると宣言しているようなものじゃないか」
敵に塩を送るような方針発表を強行したのは井阪氏だという。
「井阪さんは『ヨーカ堂』と聞くだけで機嫌が悪くなるような人。売却方針を示し、ようやく願いを叶えた。ただ、このタイミングでやることなのか非常に疑問です」(セブン関係者)
今後、ACTの攻勢にセブンはどう対応するのか。三井物産(堀健一社長)がセブンの大株主のため、関係者の間では「ホワイトナイトになるのでは」という見方が出ている。ただ、物産幹部はこう語る。
「うちが巨額投資をするならエネルギー分野。セブンにはうちより伊藤忠商事(石井敬太社長)の方が興味を持っているのでは?」
大手商社の食料部門は伊藤忠と三菱商事(中西勝也社長)が双璧だ。伊藤忠はファミリーマート(細見研介社長)を完全子会社化しているが、元々はセブンとの関係が深い。
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この記事の全文は、「文藝春秋」2024年12月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。記事の見出し一覧は次のとおりです。
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