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「社長に頼まれたと言っても、信用されないと思いました。現にこうして“氷砂糖”でも逮捕、起訴されていますから。その当時から人殺し扱いされていましたし、言えばどうなるか分からなくて怖かった」

「キメて他の女とセックスすると思った」「私はお断りです」

 検察側の被告人質問では、こんなやりとりも。

——野崎さんは覚醒剤を何に使うと思った?

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「特に何も。私はお金がもらえればよかったので。『キメセク』(覚醒剤を使用した性行為)ですかね」

——それはあなたと?

「私とはしない約束なので」

12日午後、和歌山地裁で開かれた初公判に出廷した元妻の須藤早貴被告(中央)[イラスト・松元悠氏] ©時事通信社

——あなたと性的な行為をしたいと思ったのでは?

「社長の周りに女はいっぱいいますから。その中の誰かとじゃないですか。私は言われても断ります。私には関係ないです。勃ったところで、セックスはしません」

——手ではしていたのでは?

「ゴム手袋をつけていれば、してあげます。口でするのとセックスは断ります」

——なぜ野崎さんに頼まれて覚醒剤を買った?

「私と使うわけではないですし、たくさん女性と会うから、欲しいんだろうなと」

野崎氏の著書『紀州のドン・ファン 野望篇 私が「生涯現役」でいられる理由』(講談社+α文庫)

 須藤は夫である野崎氏との性行為を頑なに拒絶する一方、違法な薬物入手の依頼は拒否しなかったことになる。しかも、催促された当日のうちに闇の住人と取引している。

——催促があった日に密売人と接触したのは?

「いつまでにと言われたわけではないんですが、『あれ、どうした?』と言われ、急かされたと思ったので」

——密売人には「ダンナにバレるから」と言って急がせた。「夫に頼まれた」と言わなかったのはなぜ?

「深夜、外に出るのが怖かったので、急かす設定としてそれが思い浮かびました。その日はそう思いました」

 検事との応酬が続く須藤の被告人質問は、11月15日にも行われる。

 11月13日(水)正午配信の「週刊文春 電子版」ならびに11月14日発売の「週刊文春」では、須藤がネットで検索していた猟奇殺人者の名前や違法薬物の種類、本人がそれらに執着した理由についても、詳しく触れている。

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