カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」による巨額の買収提案に揺れているセブン&アイ・ホールディングス。メガバンク関係者が経緯を説明する。
「セブン&アイは今年8月、クシュタールの買収提案を公表したものの、『(企業価値を)著しく過小評価している』と猛反発。クシュタールは9月、価格を上乗せし、買収総額は7兆円規模に膨らみました。そこで、セブン&アイの井阪隆一社長(67)は新たな経営方針を打ち出した。10月10日、低迷するスーパー事業を切り離し、収益性の高いコンビニ事業に専念すると発表したのです。自力で株価を引き上げ、株主の理解を得ようとしたのでしょう」
創業家も巻き込んだ“買収合戦”
それから約1カ月後、更に事態は動き始める。11月13日、セブン&アイの創業家から、経営陣による自社株買収(MBO)が提案された旨が報じられたのだ。同日、セブン側は次のような声明を出している。
〈当社の代表取締役副社長の伊藤順朗氏及び同氏が関係する会社である伊藤興業株式会社から、当社の買収に関する法的拘束力のない非公表の提案を受領しておりますことをお知らせいたします〉
創業家も巻き込んだ“買収合戦”。その創業家と”因縁”があるのが、1970年代にセブン-イレブンを立ち上げ、“コンビニの父”と呼ばれる鈴木敏文名誉顧問(91)だ。
「鈴木氏は2016年、取締役だった井阪氏の更迭に動き、逆に創業家側の“クーデター”に遭って退任。祖業の衣料品事業が当時不振を極めており、金銭的補填を打診したところ、創業家の1人が激怒し、亀裂が生まれたとされています」(セブン関係者)
最近も毎朝オフィスに出勤しているという鈴木氏に、「週刊文春」は話を聞くことができた。
鈴木氏が語った創業家との関係や、買収報道への受け止めとは? 11月20日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および11月21日(木)発売の「週刊文春」では、鈴木氏との一問一答のほか、大株主の三井物産ではなく伊藤忠商事が参戦した理由や、陰で動いているとされるファンド代表や弁護士の実名、セブン加盟店オーナーの告発など、前代未聞の“買収合戦”を詳報している。
また、「週刊文春 電子版」では、イトーヨーカ堂社長のリストラ音声や、“上げ底”弁当の徹底比較など、セブン&アイ関連の記事を多数配信している。
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