芸能プロダクションの顧問だった星政則被告(57)が、所属タレントの女性Aさん(28)に対する準強姦、準強制性交の罪に問われている東京地裁の裁判で、11月15日に証人尋問が行われた。被害にあったAさん自身が当時の被害状況を証言した。

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 Aさんの口から語られたのは、芸能界で一定の立場にある男性が、立場の弱いタレントを狙うあまりにも“卑劣な手法”だった。

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 この日、証人として法廷に現れたAさんは、パーテーションで目隠しされた状況で証言した。黒のスーツとワイシャツを着て、黒の靴下を履いていた星被告は被告席に座り、Aさんの証言中はやや前方に視線をやり、表情を崩さずに聞いていた。何を考えていたのか、表情からは読み取れなかった。

 Aさんは小学6年生のときに芸能事務所に所属し、中学3年からは主にモデルとして仕事をしていた。しかし高校3年のときに摂食障害を患い、一時入院していた時期もある。

 高校を卒業後に上京し、大学に入学。しかし摂食障害が悪化して再び入院することになり、大学を中退することに。その後、芝居の仕事がしたいとオーディションを受けるようになり、19歳の頃に星被告が顧問を務める事務所に「預かり」という形で所属することになった。仕事をする中で、先輩の俳優から「みんなから信頼されている」と星被告を紹介されたという。

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「売り出すことも、消すこともできる」「ヤクザとつながりがある」

「星被告と初めて会った時は、先輩の俳優さんと一緒にカフェで会いました。そのときに『ドラマや映画の仕事がしたい』などの話をして、LINEや電話番号を交換しました」

 それからしばらくして、Aさんは星被告から2人で食事をしようともつ鍋屋に呼び出された。先輩俳優から「星さんとのワークショップがある」との話を聞き、その説明という理由だった。

「このとき、星被告からは『昔から(芸能界の中で)力がある』、『売り出すことも、消すこともできる』、『ヤクザとつながりがある』、『そういえば、●●●がいなくなったな』などの話があり、ヤクザの事務所の名前も出していました。私は、『気に入らないと消される。怖いな』と思いました。『彼氏がいるのか?』とも聞かれました。私はレズビアンで、一度も彼氏がいたことがないことも伝えました」