「騒動の初めはOBとして“悔しい”という思いだったが、今は“恥ずかしい”というしかない」と語るのは、日大アメフト部フェニックスOBのA氏だ。
日本大学アメフト部の「悪質タックル問題」。騒動勃発から2週間が経とうというのに一向に沈静化する様子はない。
「宮川(泰介選手)は覚悟決めて自分の言葉で話した。(監督やコーチとの間に)どんな思い違いがあったにせよ、彼の言っていることが真実としか思えない」。そうA氏が語るのは「悪質タックル」を実行したDE宮川選手が、5月22日に行った記者会見のことだ。
358人のメディアを前に孤軍奮闘
用意した陳述書の読み上げやメディアからの質問の回答はほとんど宮川選手が一人で行い、まさに孤軍奮闘。それでも358人のメディアを前に臆することなく、自分の反則タックルが内田正人監督と井上奨コーチ(当時)の指示であったことを明言しながらも、「判断できなかったのは自分の弱さ」と語り、決して監督・コーチからの理不尽な指示を責めることはなかった。
関西学院大学QBを負傷させた張本人でありながら、真摯に会見に臨んだその姿は多くの共感を生み、鳥内秀晃監督をして「勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった」と言わしめた。大阪府警に被害届を出した関学QBの父・奥野康俊氏も「勇気を持って真実を話してくれたことに感謝する」と述べている。
「内田さんが監督になってから、まともな人材ほど学外に……」
一方、翌23日に慌てて開催された内田前監督と井上前コーチの会見は、お粗末そのものだった。
宮川選手が明かした「相手QBがケガをして秋の試合に出られなくなったらこっちの得だろう」、「やらないと意味ないよ」などといった具体的な指示内容については「つぶす」という言葉の解釈の違いと主張するのみ。宮川会見とは対照的に「何が言いたかったのか不明」、「これならやらなかった方がまし」といった声も聞かれた。
「あの人たち(内田前監督と井上前コーチ)はおかしい。情けない。全然選手を守っていない。井上だって内田さんが横にいたのでは何も言えないはず」とA氏。「内田さんが監督になってから、まともな人材ほど学外に出ていってしまう。あの人自体がまともじゃないから……」