政治の中心地、東京・霞が関から“マル秘”政界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。12月号から、ダイジェストで紹介します。
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間合いを詰めた金融庁
自民党総裁選で掲げた政策を次々と反故にして、すっかり「変節漢」のイメージが定着した石破首相。当初は政策通と見られたが、得意分野とされる外交・安全保障面でも「一人で本を読みかじった知識を並べ立てていただけ。最新の情報に暗く、中身はない」(防衛省幹部)と厳しい指摘が絶えなかった。
人付き合いを好まない上、長く続いた「非主流派」暮らしで政官の人脈も細っている。各省庁が首相官邸との距離感を測りかねる中、政権発足直後に首尾よく首相との間合いを詰めたのは、皮肉にも最も距離があると見られていた金融庁だった。
金融所得課税への警戒感から、総裁選直後に「石破ショック」とも呼ばれる株価下落が生じたことに、誰よりも慌てたのは首相本人だった。折しもそのタイミングで井藤英樹長官(昭和63年、旧大蔵省)、有泉秀金融国際審議官(同)、油布志行企画市場局長(平成元年、同)、堀本善雄政策立案総括審議官(2年、同)が揃って首相に面会。政治的な動きに縁遠いはずの金融庁の機敏な対応ぶりに、金融ウォッチャーらは「貯蓄から投資へ」の流れを強化するのかと、色めき立った。
実際は岸田前首相の続投を前提に組んでいた金融業界向けの日程を事前説明するのが主目的だったが、総裁選の決選投票を勝ち抜く大きな原動力となった岸田氏の肝いり案件とあれば、「前政権からの政策の継続」を確約した首相は二つ返事で受ける選択肢しかない。わずかなレクの後、あっと言う間に態度を翻して「貯蓄から投資へ」を熱心に唱えるように。表向きのイメージとは裏腹に、ほとんど反射神経で対応していると言ってよい。《この続きは「文藝春秋 電子版」でお読みください》
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本記事の全文は「文藝春秋」2024年12月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。全文(約4000字)では、下記の内容をお読みいただけます。
【文藝春秋 目次】〈緊急特集〉石破首相の煉獄 自民党崩壊 久米晃×曽我豪×中北浩爾/ジャンル別ガイド あなたに見てほしい映画/5つの臓器のアンチエイジング
2024年12月号
2024年11月9日 発売
1100円(税込)