日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
◆◆◆
ターゲットは非上場の新興チェーンだ
外食企業で大型買収が続いている。ターゲットは非上場の新興チェーンだ。
ベーカリーレストランを展開するサンマルクホールディングス(藤川祐樹社長)が2024年11月に買収を決めた先は牛カツ定食チェーン「もと村」の運営会社。直営30店舗を展開する同社の直近決算は、売上高45億円で純利益5億円弱と、外食企業としては高収益。これに対し、サンマルクHDと合意した買収額は104億円である。
確かに牛カツは外国人観光客に人気だ。実はサンマルクHDは、この1カ月前にも別のチェーン「京都勝牛」の買収を決めた。こちらの直近決算は売上高92億円で純利益が8億円。買収額は110億円だった。サンマルクHDは郊外型洋食レストランと都市型コーヒーショップを軸に90年代以降に成長。04年に始めたパスタ店に続く第三の柱を、牛カツと見定めた格好だ。連結売上高600億円台の同社にとって、計200億円超の買収は大勝負だ。
他方、古豪すかいらーくホールディングス(金谷実社長)が9月に買収を決めた先は、九州が地盤の「資さんうどん」。ユニゾン・キャピタルなど投資ファンドの傘下にあったチェーンだ。直近売上高は152億円。これに対し、買収額は240億円である。
すかいらーくHDは早くから多ブランド戦略を進めてきた。消費者の嗜好や地域の人口動態などに応じ、自社開発の郊外型店を、臨機応変に業態転換できるのが最大の利点だ。そこに低価格うどん店という手札を加えたことになる。《続きは「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます》
◆
本記事の全文は「文藝春秋」2025年1月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。記事全文(約3700字)では下記の内容をお読みいただけます。
セブン&アイ・ホールディングス(HD、井阪隆一社長)が反撃に出た。カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)からの買収提案に対抗……
あおぞら銀行(大見秀人社長)の苦境が続いている。11月15日発表の2024年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比1%減……
【文藝春秋 目次】昭和100周年記念大特集 昭和100年の100人 高度成長とバブル編/トッド×成田悠輔/最愛の息子はワクチンで死んだ
2025年1月号
2024年12月10日 発売
1550円(税込)