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 ちなみに、今回、ジョン・ラムジー氏は米「ニュース・ネイション」に対し、自身とパッツィーが容疑者として扱われた経緯についてこう話している。

「警察は初日から(私たちが犯人だと)決めつけていました。担当刑事は私の目を見て犯人だと思い、その後、妻に焦点を当てました。私たちは『家族なので調べられるのは理解できる。しかし、そこで調査を止めないでほしい』と言いました。しかし、彼らはそこで調査を止めてしまいました。それが、彼らの出した結論でした。そして、私たちを有罪にする証拠を探し始めたのです」

 同氏は担当刑事が殺人捜査担当ではなく、車の窃盗捜査担当だったことにも疑問を感じていたという。つまり、重要な初動捜査の段階で、殺人課のプロの刑事による徹底した調査がなされなかったわけである。

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 ジョンベネの爪と下着からは男性のDNAが見つかり、家族のDNAとはマッチしなかったものの、警察はそのことを何ヶ月間も公表しなかった。ボールダー警察は母親のパッツィーにも疑いの目を向けた。また、外部からの侵入者犯人説も浮上。実際、1997年9月には、ラムジー家の近隣で、少女が夜押し入った何者かに性的暴行を受ける事件も発生していた。

苛立ちを覚えたラムジー氏はコロラド州知事に……

 1998年9月には、ジョンベネ殺害事件を調査するための大陪審が招集されたものの、翌年10月には、証拠不十分を理由にラムジー夫妻を含む容疑者に対する起訴状は出されなかった。捜査対象とされた男性も何人かいたものの、彼らのDNAが犯行現場から発見されなかったり、DNAがマッチしなかったりしている。

 2022年、捜査が進んでいない状況に苛立ちを覚えたジョン・ラムジー氏はコロラド州知事に、DNAの証拠をボールダー警察から独立調査機関へと移送してほしいと請願。「5~6つのアイテムはラボに送られたが、検査のためのDNAは採取されなかった。我々はすでに採取され検査されたDNAを再検査し、公開されている家系図データベースを使って、そのDNAとマッチしているDNAを持つ人物だけではなく、そのDNAと類似しているDNAを持つ犯人の親族も探したい」と話している。

「ネットフリックスのドキュメンタリーでは新しいことは何も報じられなかった。すでに出尽くしていた情報ばかりだった」