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「富士山まで鉄道で行きたい」が叶う日は来る?

 いま、山梨県は富士山の五合目までの登山鉄道の構想を持っているらしい。もとは信仰の山である富士山に鉄道を通していいものか。また自然保護の観点からもいかがなものか。そもそも技術的に可能なのか。いろいろと意見はあるようだ。

 結局、山梨県では一般的な鉄道はあきらめてゴムタイヤで富士スバルラインを走る「富士トラム」にする方針になった。ゴムタイヤで富士スバルラインを走るって、それはバスと何が違うのか、という気がしなくもないが、果たして実現やいかに。

 いずれにしても、少なくともいまでも吉田までは鉄道が通っている。特急に乗れば、新宿駅からも2時間足らず。なかなかに便利な霊峰・富士といっていい。

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 師走の富士山は、もちろんシーズンオフ。それでも特急「富士回遊」は上りも下りも満席だった。そのほとんどが外国人観光客だ。富士山駅周辺の町中でも、あちこちで外国人観光客の姿を見た。彼らのうちのどれくらいが、信仰の対象としての富士山とその文化に関心を抱いてくれるのだろうか。 

 ちなみに、話題になった“富士山の見えるコンビニ”は、河口湖駅近くのローソンだ。ただ、別にそのローソンに行かなくても、このあたりはどこからだって富士山が大きく見える。

 

 東海道新幹線の車窓から見るような富士山とはまったく違い、手が届きそうな近くにとてつもない迫力で迫り来る富士山。まるで飲み込まれてしまいそうな圧迫感すら覚えてしまう。富士山駅を歩いているその間、ずっとそんな富士山に見下ろされていた。

 これだけ力強い富士山を見続けたのだから、きっと初夢にも富士山が出てきてくれるに違いない。シーズンオフであっても、富士山は富士山。その圧倒的な存在感と神秘的なものを感じる美しい山容は、初夢でなくてもいつでも夢に出てきてほしい。そんな特別な山なのである。

写真=鼠入昌史

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