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 「いずれはこの家から出ていく」という言葉の意味

「改修工事が始まる時に、 私と妻もそうでしたし、それから娘たちも両方とも最初から、改修した後の所に、当時は長女と次女二人ですけれども、部屋を設けないという考えを持っていました。

 

 理由としては、いずれはこの家から出ていくであろう、実際に一人はもうその前に結婚しているわけですけれども、娘たちの部屋をそこに用意すること自体がある意味無駄になるという考えからです。そのことを両方、つまり、私たちも思っていましたし、娘たちも思っていましたので、話合いというか、ある意味、その認識を確認したということで、非常にすんなりと決まったことでありました」

 現在、秋篠宮ご夫妻と長男、悠仁さまは東京・元赤坂にある改修工事を終えた秋篠宮邸で暮らしているが、佳子さまは本邸の目の前にある別棟の分室で、家族と離れて生活している。2023年11月の誕生日を前にした記者会見で、秋篠宮さまは佳子さまがこの分室で生活することとなった経緯をこのように説明した。

佳子さまと悠仁さまの見送りを受け、英国へ出発される秋篠宮ご夫妻 ©JMPA

「いずれはこの家から出ていくであろう、(略)娘たちの部屋をそこに用意すること自体がある意味無駄になる」というところがポイントである。佳子さまはもちろんのこと、秋篠宮ご夫妻も近い将来、佳子さまが結婚すれば当然のこととして、皇室を離れて一般国民となるという前提で既に新しい生活を始めている。ここがとても大事な所なのだが、今、議論されている、「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」とは、明らかに矛盾している。

皇族である前に一人の人間である

 こうした秋篠宮ご一家の現状を国会議員たちはどのように理解しているのだろうかと、私は強く危惧している。一人の女性としての佳子さまの人生をもっと真剣に考えてほしいと思う。佳子さまに寄り添って議論を深めてもらいたい。そして、彼女を悲しませないでほしいと、願わずにはいられない。

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 一度、立ち止まって、「皇族である前に一人の人間である」と、考えることが大切ではなかろうか。佳子さまは内親王という重い立場ではあるが、その前に一人の30歳の女性でもある。当然、結婚した後も幸福に生きる権利を持っている。

2024年、佳子さま30歳のお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供