神津病院長のモデルは成田悠輔?
成田 今度はポップコーン食べながら観ます。あの映画の中で、どこかで聞いたひどいセリフがあった気がしたんですが……「高齢の先生方は集団自決を」とかナントカとか。
米倉 (笑)。聞かれるかなと思っていました。染谷将太さんが演じる神津病院長ですよね。
成田 既得権にのらりくらり居座ってる医師たちを切り捨てる役です。あの役はいったい……。
米倉 今、世の中で若い世代のリーダー的な存在として走っている方々がいますが、その象徴の一人です。『ドクターX』って、時事ネタとか世の中の騒動とか空気を採り入れて、フィクションを作っているので、成田さんがどうというわけではないと思うんですけど。
成田 すいません、答えにくいこと聞いて。
米倉 答えにくいです!(笑) 私に聞かないで。私が書いたんじゃないですからね! でも『白い巨塔』ではないですけど、ジェネレーションギャップというか、ジェネレーションチェンジというものを描きたかったと思うんです。一方で大門未知子からすると、そういうジェネレーションチェンジの渦中の若手も、しがらみの中に居座っている老人も根は同じで、そんなやつらはさておき、自分は患者を治すということですよね。
成田 うんうん。
米倉 でももし、気分を悪くされているようでしたら、そこらへんは笑って許してほしいなって。
成田 いや、僕は気分良くも悪くもならない不感症なので大丈夫です。
米倉 そうなんですか。へえ(笑)。
成田 浅く見えて深いなと思ったところがありまして。一見すると居座ってる老害への辛辣な描写や言葉が多いじゃないですか。だから世代間対立とか世代交代みたいな話がメインなのかなと思いきや、実は違う。今おっしゃっていたとおり、大門未知子自身はそういうステレオタイプな対立から自由で、患者そのものとか命そのものに正面から向き合う存在として描かれている。世代や年齢みたいな属性を扱っているように見えて、それが本質じゃないって話だと勝手に解釈しました。
米倉 そのとおりです。これは大門未知子の一匹狼の物語なので。
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