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イ・ジョンジェ:「ギフンは前回、感情面で大きな変化を経験しました。シーズン1で初めて他のプレイヤーに感じた気持ちと、シーズン2で他の参加者に会ったときに感じる感情とはまったく異なります。言ってみればシーズン1では自分の感情を表現することにギフンも私も重点を置いていました。 しかし今回は他人の感情を受け入れ、注意を払っている。ギフン以外、ゲームのプレイヤーは全員新顔です。前回とはまったく違う、より親しみやすい、応援したくなるキャラクターたちに出会えますよ。でも何よりシーズン1との最大の違いは、各ラウンドの後にプレイヤーが投票するということだと思いますね」

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「実は私は、シーズン2全体を通して、私たちに本当に希望はあるのだろうかという問題に焦点を当てていました」

 前作にも投票はあったが今度は、プレイヤーたちは毎回、ゲームの続行を自らの判断に委ねられる。生き残った者たち全員で賞金を分配して解放されるのか。それとももう1ゲーム続けて、脱落者の命を代償に、少しでも多くの金を手に入れるのか。より多く稼ぎたい者たちと、そうではない者たちが分断していくのだが、それがまさに現代社会の象徴となっている。

ファン監督:「シーズン2の制作中、私が最も心に留めていたのは、現在の世界と、それがいかに私たちを分断させているかでした。つまりお互いを他のグループから引き離し、反対側と認識した相手に対しては敵対心を抱かせている。 今日、私たちを分断するものは多いのです。 人種、宗教、言語、持てる者と持たざる者、世代間の分断。そして最近、非常に重要な投票(アメリカ大統領選挙のこと)が行われ、私たちは、左派と右派、保守派と進歩派の対立という政治的な分裂を目の当たりにしました。 こうした分裂は、米国とメキシコの間に建設されようとしている壁のように、まるで絶対に越えられない一線があるように思えてしまう。 世界の指導者たちが作り出しているだけなのに。

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「イカゲーム」S2:ワールドプレミア_ファン・ドンヒョク監督

 すると私たちは、反対側にいる自分と違う判断をした人は、決して許されない敵であると考えるようになります。『イカゲーム2』では、各ラウンドの後に投票が行われ、○か×のどちらかに投票しなければなりません。その結果、ゲームに参加している人々は『私は正しい。あなたは間違っている。私は天使。あなたは絶対的な悪だ』と考えるようになる。実は私は、シーズン2全体を通して、私たちに本当に希望はあるのだろうかという問題に焦点を当てていました。つまり私たちが皆をいくつかの陣営に分け、互いに敵対するようになった世界に未来はあるのだろうか、と。このままだと、あらゆる場所に壁が建てられ、持てる者は、持たざる者が壁を越えられないように邪魔をする、というまるでSFのような社会があっという間にできてしまうと私は本気で思います。そんな社会には住みたくない、と思いながらシーズン 2 を作っていたんです」