チームで野外盗撮を狙った男性4人組
4、野外イベントを狙う男たち
法廷中央、証言台のところに被告人が4人、横に並んで立った。全員が黒スーツにネクタイ姿。いわゆるアラフォーで、婚姻歴なし。数年来の知り合い同士だという。いったい何をやったのか。起訴状と検察官の冒頭陳述をまとめるとこうだ。
被告人ら4人は、野外で放尿する女性を見たり撮影したりする性癖を有していた。花見の公園、花火会場などへ出かけ、トイレの列に並んだものの、たまらず野外で放尿する女性を見つけ、盗撮していた。
1人が女性を見つけて追うと、その動きを他の3人が察知して続く、そんなことをくり返していた。本件当日、ついに逮捕された。
「みんなでいたんで大丈夫だろうと」
公園名が出た。私は帰宅後、ネット検索してみた。バーベキューができる大きな公園で、来園者が1000人を超えることもあるという。犯行日はゴールデンウイークの最中だった。そして、なんとその公園にトイレは1カ所しかなく、よく長蛇の列ができるという。女性の野外放尿の盗撮を性癖とする者らにとって、絶好の公園だったわけだ。
検察官 「見つかったら通報されると、考えなかった理由は?」
被告人 「夢中になってたことと……みんなでいたんで大丈夫だろうと……自分が逮捕されるってこと、想像がついてなかった……」
判決は、3人が懲役1年6月、執行猶予3年。仲間に加わってやや日の浅い1人が懲役1年、執行猶予3年だった。「大丈夫だろう」に加え、被害者の気持ちや苦痛を想像できないことも、多くの犯罪者の特徴といえる。
高校の女子トイレのあちこちにカメラが
5、清掃員が学校の女子トイレで
被告人は50代。顔を隠すような前髪の奧から、ぎょろりと目を動かして傍聴席を見渡した。犯行時は清掃会社に勤務。ある高校へ派遣され、全フロアのトイレ清掃を任されていた。
その清掃作業中、3階の女子トイレで、個室の汚物入れに小型カメラを隠匿設置した。午後0時28分頃、被害者A(17歳)がその個室で用便しようとしてカメラのレンズに気づき、向きを変えた。その後に被告人が戻り、向きを戻した。午後3時30分頃、被害者Aは友人とともにカメラを見に行き、見つけて学校に申告した。