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 そのことがバレて、2人は大喧嘩になり、別々の部屋で寝るようになった。さらに関口は美麗にウソをついて、「姉が50万円必要で困っている」と言って、美麗に50万円を都合させた。

 それを美麗は常連客から借りたが、関口は一向に返済せず、彼女は知人のママから50万円を借りて返済した。

 だが、その金も結局は焦げつき、美麗はヤミ金に手を出した。その返済期日が翌日に迫っていたのが美麗の失踪当日だった。

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「ねぇ、本当に用意できるの。今度は知人じゃないのよ。絶対に返さないとマズイのよ!」

「分かった、分かった…」

 関口は生返事しつつも、返済のメドなど立っていなかった。美麗は親しい知人に窮状を打ち明け、「旦那が金を用意してくれるか心配」などと相談していた。

突然、行方知れずとなった妻と夫

 事件当日、美麗は知人のブティック経営者と一緒にいた時に関口から電話をもらい、「旦那が金を用意できたから来て欲しいと言っている」と言って、喜びながら自宅に戻って行った。それが美麗の生前最後の姿になった。

 ラウンジの開店時間になっても店にやってこない美麗を心配した同僚が家に電話をかけたところ、関口は「美麗とは夜9時頃に別れた」と説明した。

 その夜、この同僚の携帯電話には〈今は知人宅にいる。あとで連絡します。旦那には内緒にしてください〉という美麗からのメールが届いた。しかし、それっきり美麗の携帯電話とは連絡が取れなくなった。

 翌日から、美麗の知人たちが次々と自宅を訪ねてきた。関口は「美麗は客の男に呼び出されて、午後7時頃に家を出て行った」と説明したり、「実は出て行くところは見ていない」などとコロコロ説明を変え、怪しんだ知人たちは「一緒に携帯ショップに行って、発信元を調べてもらおう」と提案したところ、関口は突如行方不明になった。

写真はイメージ ©getty

 それから約1カ月後、美麗の遺体の一部が発見された。警察はその周辺の海や川を捜索したが、それ以外の部分は未発見だった。